ヤンデレブラコンの妹 ※現在改稿中、工事完了までお待ち下さい。

アキノリ@pokkey11.1

第1話 ヤンデレブラコンの妹

三島悠次郎(みしまゆうじろう)。

俺の名前だ。

意味としては落ち着いた様で突き進めという事で名付けられたのだが。

現在、16歳の高校2年生で今を生きている。

そして俺の大切.....とは言えない様な妹、三島咲(みしまさき)は同じ高校の15歳の高校1年生の女子高生。

俺の一年下。


「はぁはぁ.....」


そんな俺達は簡単に言えば姿が似てない。

と言うのも三島咲は茶髪なのに俺、三島悠次郎は黒髪なのだ。

そして三島咲はかなりの成績優秀、容姿端麗なのに対して俺、三島悠次郎は全く冴え無い身長もそこそこ、中肉、眼鏡という様な高二の凡人。

そんな俺の妹は狂気の病気だった。

それは簡単に言えば。


「.....おい。出してくれ。咲。この場所から」


俺は自宅の中の俺より少しばかりでかい様な檻の鉄棒を握る。

勉学中にいきなり背後からクロロホルムを嗅がされてこの場に俺は居る。

咲は刺身包丁を弄びながら股間の部分をヌルッとした液体でパンツを、太ももを濡らしながら俺を見下ろしてくる。

俺はガタガタと鉄棒を揺らすが、頑丈に出来てやがる。


「.....ハァ.....クソッ.....!」


「ねぇ聞いて?やっと出来たんだよ?この檻。お兄ちゃん用に密かに造ったこの檻。お兄ちゃんは私のもの.....お兄ちゃんは私以外は愛さなくていいの。私だけを見て.....?ねぇ。お兄ちゃん.....?」


狂気愛に包まれている、妹を見つつ。

俺は檻の中で、俯いてから小さくため息をついた。

アレを使う時か、と思いつつ。



思えば咲が頭おかしくなったのは小学一年の頃だったと思う。

小学校2年生の俺がバス事故に巻き込まれてから何故か、俺に対して途轍もない求愛をし始めてそして全てが滅茶苦茶になり始めた。

俺は力が有る訳じゃ無い。

だから、ただ変わり行く咲を見るしか無く今に至る訳だが。

面倒臭いなこれ。


「.....」


別に俺は咲が怖い訳じゃない。

何故なら、俺はもうコイツの怖さには慣れ、その為に身震いをしたりはしない。

だけど、人間こんな目に遭うのはやはり恐怖だ。

何度も言うが、人間だから。


「おい。咲。ここから出せ。さもないと今直ぐに警察へ通報するぞ」


「どうやって連絡するのぉ?スマホ解析で.....出来無いのに、お兄ちゃん.....?」


突然誘拐で何も準備出来て無いと思ったのかコイツは。

馬鹿だ、俺の耳元をよく調べなかったんだな。

耳穴に小さな小型マイクの耳栓をしているんだ俺は。

こういう時の為にな!

みんな親父にお見通しだよ。


「まぁ、どうするかは知らないけど別に警察へ連絡してもいいよ?だって、私はお兄ちゃんを監禁しているんじゃないもの。お兄ちゃんが浮気しないようにしているだけだもん」


「そういう事が警察に通用するか?咲」


GPSは起動させて有る。

もう直ぐだな、と、思っていると。


ピンポーン


インターフォンが鳴った。

ギンッと鋭く音が鳴りそうな程に見開く、咲。

そして地下室からその目で外を見た。

それから、俺に甘々な感じで挨拶をする。


「ちょっと待っててね。お兄ちゃん。ゴミを掃除してくるから.....♡」


馬鹿かコイツ。

国家権力を消せるもんかい。

それにそれなりに俺も考えてるんだぞ。

警察は警察だが俺の親父に直接に繋がる様にして有るんだ。

巡査の三島大五郎にな。

それに父親は俺達の関係を良くは思ってないから。

と思って居ると、見事に罠に掛かった咲がやって来た。


「ちょっと!離して!お父さん!」


「またこんな下らない事をやっているのか!咲!一体なんでお前はこんな感じなんだ!絶対に許さんぞ!」


咲も取り敢えずは今の所、親父には敵わないのだ。

その事を知っての俺の作戦。

まぁ、小さい抵抗だけど。

ざまぁねぇな、咲。


「何で!?何もして無いじゃん!離して!離してったら!」


「これは既に監禁の領域だ!クズがする事だ!いい加減にしろ!咲!」


咲にそれだけ怒鳴ってから直ぐに親父はこの檻を開けてくれた。

それから、檻を蹴っ飛ばす。

咲を睨んで、だ。


「気持ちが悪いな。勉学をしっかりしろ!咲!」


これに対して遂に咲がキレた。

そして包丁を構え、見開いたままキッと親父を睨み襲いかかる。

すると咲の包丁の握られている手を蹴り飛ばす様に右足を上げて。

そして、柔道技を咲に掛ける。

咲は痛がりながら、涙を流している。

俺は慌てて親父を止める。


「ちょ、親父!もうその辺で良いよ!」


「絶対.....お兄ちゃんとの仲を壊させたりはしない.....!」


悔しがりながら脱兎の如く去って行った。

盛大にため息を吐く親父。

俺はそんな親父を見つめた。


「.....全く。あの子は何故.....何時もああなのか.....」


「.....俺が何とかするよ。元は俺の責任だし」


「そういう訳にはいかん。現に俺達は家族なのだからな」


親父はその様に話して俺の頭を撫でてきた。

本当にゴツイな、身体が。

思っていると、親父はため息を吐きながら出て行こうとする。


「帰って来るまで待っていてくれ」


「.....はいよ。親父」


そして親父も去って行った。

俺はそれを見ながら、先にどっかに行った咲の事を考える。

先の道も、だ。

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