第2話

咲が狂い始めて、親父もお袋も。

あまり咲に見向きをしなくなった。

その代わり、俺に愛情を注いでくれている。

おかげで。

咲は遂にその行動に出た。


「咲!ここから出せ!」


「咲ちゃん.....こんな事は止めて!」


檻に無理矢理、親父とお袋を詰め込んで。

そして愕然としている、俺に対して。

この様に咲は言い放った。


「邪魔者は消すだけだよねー。お兄ちゃん♡お兄ちゃんとの愛を邪魔する奴は許す気は無い。消す」


此奴はもう怪物だ。

ヤンデレとブラコンの怪物だ。

俺は思いつつ、この俺でも流石に恐怖に感じていた。

更に良く見ると、抵抗ができない様に。

親父とお袋の手足を圧し折っていた。

どの様に折ったかは知らんが。


「出しなさい!!!!!」


「出せ!」


動向を見開いて。

真顔の咲は。

そのまま、何かを取り出す。

ラベルにこう書かれていた。

ヒ素。

何をする気だ。

此奴は!!!!!


「止めろ!テメェ.....そんな事をして、俺が喜ぶとでも!?巫山戯るなよカスが!!!!!」


「黙ってて。お兄ちゃんは」


まさか殺す気か。

両親を。

実の両親を!

警察に捕まるぞ!


「止めろ。流石に俺も許しがたいぞ。これは。お前が警察に捕まるぞ!!!!!」


「だったら警察も何もかもを消してやる。それでどう?お兄ちゃん♡」


どうする。

どうやって止めるんだ。

此奴を。

この怪物を。


「.....!?」


ファンファンファンファン.....。


「そんな馬鹿な!?」


警察車両がやって来た音だ。

何?感づいたのか?

思っていると、玄関がぶち破られる様な音がして。

警察が目の前に。


「警察だ!動くな!!!!!」


何処から情報が漏れたのか。

警察が一気に飛び込んで来た。

拳銃に、思わず俺は即座に手を上げる。

だが、妹は全く動じてない。

その手を休める事無く、動かそうとする。

そして。


パァン!!!!!


猛烈な音がした。

発砲音らしき音が。

俺は耳を塞いで、目を瞑る。

どうやら、威嚇発砲の様だった。


「止まれと言っている。警察を甘く見るな!!!!!」


「何で.....何でいつも.....いつも.....お兄ちゃんとの愛が邪魔されるの.....かなぁ?」


咲は。

その様に呟いて、瞳孔の目を警察官達に向ける。

そして注射器を持った状態で歩き出そうとした所で。

再度の警察官の発砲。

そして、咲は脛辺りから血液を吹き出して。

地面に倒れた。



この事件により、咲は監禁罪などによって少年院送りになった。

それからは俺達は普段通りの生活を送り。

なるだけ咲の事は考えない様にした。

そして2年後。


俺は大学生になった。











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