第5話

「警察だ!動くな!!!!!」


睨めっこしていると。

その様な声がして。

親父と、警察官が入って来た。

その目には最早、娘への情は無い様な感じだ。

俺を一瞥して。

それからため息をつく。


「咲。お前はまた捕まえる。何度でも捕まえる。更生させてやるからな。昔のお前に戻れ。頼む」


「無駄だよ。お父さん。.....少年法って知ってる?どんだけ極悪な犯罪をして何度捕まろうと、死刑になる事は無い、有意義な法律。お兄ちゃんを私は愛してる。それだけ。邪魔するなら今度こそ殺すよ?」


だが、親父は。

背後に向かって、人差し指で誘導した。

今度ばかりはそうはさせんと言わんばかりに。

背後から来た人物。

それは、機動隊だった。

かなりガッチガチですね!?


「.....彼奴を捕まえろ」


「ハッ!!!!!」


警察の位が上がって、かなりの指揮権を握る様になった。

その為だろう。

親父がこの様な真似が出来る様になったのは。

機動隊は咲に対して、容赦無く進む。


「.....パパも.....ママも.....何で?何で私はお兄ちゃんを愛しているだけなのにこうなるの?意味が分からない。お兄ちゃんを愛して何が悪いの?ねぇ?パパ」


その言葉の次に。

咲の背後。

奥の方からぞろぞろと人が出て来た。

見れば、それは人相が悪い少年達である。

何だこれは。

どうなっている。


「私、この人達に身体を見せつけて魅力したの」


「どこまで腐ってんだテメェ.....」


流石にもう呆れがきた。

そいつらは少年院の奴らって事か。

なんてこった。


「突撃して」


「はい姉さん!!!!!」


そして。

機動隊と少年達が真っ向から衝突し。

咲は背後に走り出した。

どこ行くつもりだ!

あいつ!?


「まずい!逃げられる!」


「.....クソッ。.....追え!追うんだ!」


親父が大声で叫ぶ。

と同時に走り出した俺はそんな親父に言った。


「親父!俺が追う!説得してくる!」


「なん.....そんな無茶な.....止めろ!」


驚愕して、俺を止めようとする。

いや、これは俺がやらないといけない仕事だと思う。

これ以上の咲の暴走を止めれるのは咲が好きな俺しか無い!

思いつつ、走ると。

少年達が前に立ち塞がった。


「ここは遠さねぇぞ」


「ヘっヘっヘ......」


非力な俺は。

棍棒を持っている少年達に塞がれただけでも先に進めなくなる。

だが、次の瞬間。


パシュン.....。


「.....これは.....」


「ガス!?」


目を眩ませる少年達。

どうやら、威嚇用にガス手榴弾でも投げた様で。

俺達は煙に包まれる。

そんな中で、俺は歯を食い縛った。

昔を思い出し。

そして!


「うおおおおお!!!!!」


バキィッ!!!!!


思いっきりに正面から突いた。

拳で、だ。

親父に教え込まれた。

先ず、心を強くしろと。

呼吸を整え、殴り飛ばした。


「.....」


そして、俺は。

機動隊と少年達が揉みくちゃになっている中。

咲を追い掛ける。

今度こそ改心させてやるんだ。

あいつが、そして俺が。

幸せになる為に!!!!!









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