概要
宇宙時代の怪談ばなし
銀河辺境の宇宙コロニー。暗い星野を臨む店で、バーテンダーは給仕中に三人の航宙士たちの奇妙な会話を耳にする。鬱々としたようすの彼らは、どうやら死んだ仲間の弔いに百物語の会を催しているようなのだが……。最後の物語が終わった時、バーテンダーが目にするものとは? 人々が宇宙の深淵をさまよう時代、明けない夜に語られる静かな怪異譚。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!描写の凄まじさに、見たことのない“宇宙”を目で見た心地になれます
バーテンダーが給仕中に耳にするのは、三人の航宙士が語る百物語。
バーの片隅で語られる“宇宙”は、静かで悍ましく、美しくも不気味。
8話完結のSFホラーです。
レビューのひとこと紹介のとおりです。
そこまで知識のない私でも、目に浮かぶほど、鮮やかに宇宙が描写されています。
惑星丸ごと頭に浮かぶんです。
まろやかに青い星。表層には白や金の筋が複雑に伸び、目玉のような斑がある。そんな瑪瑙玉のような丸い惑星が、黒い宇宙のなかに浮かんでいる――。
凄まじく美しく、濃密で、読んだあと、(すごい映像だったな)と思うんです。
絵ないのに。
そしてその巧みな描写で書かれる物語の見事なことといったらないで…続きを読む - ★★ Very Good!!遥か宇宙での百物語
世の中でSFと相性の良いものといえば、ファンタジーの次にホラーもあげられます。
SFホラーといえば、「エイリアン」に見られるようなモンスター・パニック物が大多数。
クトゥルフ神話などもモンスター物といえばそうでしょう。
しかしこの「航宙士夜話」では、舞台こそ宇宙の片隅ではあるものの、百物語の系譜が連綿と受け継がれている様子。宇宙世紀の時代にも、いまだ不可解な出来事は人々の噂の中に、時に面白おかしく、そして当事者たちにとっては笑い話ではないよう。
また、行われている百物語にも何か理由があるようで……。
SF小説にありがちな専門用語等も少ないので、読んでいる途中に立ち止まることもありません…続きを読む