描写の凄まじさに、見たことのない“宇宙”を目で見た心地になれます

バーテンダーが給仕中に耳にするのは、三人の航宙士が語る百物語。
バーの片隅で語られる“宇宙”は、静かで悍ましく、美しくも不気味。
8話完結のSFホラーです。

レビューのひとこと紹介のとおりです。
そこまで知識のない私でも、目に浮かぶほど、鮮やかに宇宙が描写されています。
惑星丸ごと頭に浮かぶんです。
まろやかに青い星。表層には白や金の筋が複雑に伸び、目玉のような斑がある。そんな瑪瑙玉のような丸い惑星が、黒い宇宙のなかに浮かんでいる――。

凄まじく美しく、濃密で、読んだあと、(すごい映像だったな)と思うんです。
絵ないのに。

そしてその巧みな描写で書かれる物語の見事なことといったらないです。
あっという間に飲み込まれます。

実際に百物語が語られている98話、99話、100話、そのどれもに人の胸を突くものがあります。
だいたいこういうのって、好きになる話・そうでもない話とか出てくるじゃないですか……?
ないんですよ……。どれも全く異なる話であるのに、そのどれもが大変素晴らしいんです……。

読みやすい構成で、おまけに8話完結済みですし、
このレビューで興味を持った方はぜひ読んでみてください!!!

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