勘兵衛の恋～北の関ケ原異聞～

舞台は出羽国山形。最上家の陪臣である若き武将・鳥海勘兵衛信道は、湯沢城攻めで武功を挙げ、家中で名を知られる存在となった。その勘兵衛が、最上家の侍女・花輪と恋に落ちる。それは、立場上許されぬ恋であった。当主・最上義光から罪に問われ、死を覚悟する勘兵衛。しかし、勘兵衛が仕える鮭延越前守秀綱のとりなしと花輪の機転で勘兵衛は許され、花輪を妻とすることを許される。勘兵衛は感謝し、最上家への忠誠を改めて誓う。
しかし、時代は勘兵衛と花輪に安息の日を与えなかった。祝言から数か月後、勘兵衛は最上家の滅亡を賭けた上杉家との戦・長谷堂合戦に出陣することになった。