第13話 成果

「うーん、二人ともよくやったわね。大成功よ。大変な成果だわ」

 ミニスカートの上に白衣を着た主任は、ホクホク顔で僕達を迎えてくれた。

「ええ、ワタシとトモはよくやったと言えますね。セイリュウはもう少し頑張った方がよいでしょう」

「あー、いや。三人ともよくやったわね」

「でもコイツ降りる時にコケたんだぜー」

 白菊が突っ込みを入れるようにチョップする。まあ、モニターされているから伝わってるんだけど。

「それにしても、あんな所にロボットの生産工場があったとはね」

「ワタシが検知した限りでは、作業していたのは全てロボットでした」

 ロボットの骨組みもそうだが、警備用の装甲の厚いロボットや廃棄ロボットも作っていた。

 廃棄ロボットを解き放って、まだ危険区画である事を知らしめ、警備用ロボットでジャンク屋等を退ける。その中心でロボットの生産。

 いくつかある閉鎖区画全部に工場があるというよりは、小型の原子力ボイラーで電力を確保しながら転々としているのではないかと主任は予想している。

「ガサ入れがある事も予想して移送しやすいようにしてるから生産性は低いんじゃないかしら」

 だけど、それだけでは人の皮を被ったロボットを社会に溶け込ませる事などできない。

 今日の成果はあくまでとっかかり。本当の調査はこれからだと言う。

「ちゃんとサンプルも持って帰ってきてくれたしね。完全な状態なのは貴重だし、色々と証拠も出るかも」

 主任は嬉しそうだが、サンプルって? と何の事だろうという顔をする僕に白菊が答える。

「トラックを逆走させた時ですよ。並べてあったロボットの素体をいくつか荷台の中に取り込んだのです」

 そうだったのか。お決まりのギャグかと思ってた。と感心する僕に白菊は少し顔を上げる。得意気なんだろうか?

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