概要
*1話1,500~3,000字
*番外編は↓に移動しました。(2023年8月28日)
https://kakuyomu.jp/works/16816927862665415953
登場人物一覧
https://kakuyomu.jp/users/KH_/news/1177354054883682254
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!映画化希望! 切に希望!
カクヨムに登録して最初に見つけて読み始めた作品。このような珠玉の作品を無料で読めるとは! 驚愕、そして感謝!
文章力に並々ならぬものがあり、くだくだしい説明は一切ないのに、まるで映画を見ているかのようにありありと情景が目に浮かぶ。まさしく、16世紀のフィレンツェにタイムトリップしたかのような没入感。読者は本作を読むことにより、ジャンニ親方たちと共に、肩を並べて…時にはこれほどの臨場感を悔やむほどの現場に立ち入りながらも…事件を追うことができる。
ジャンニ親方の工房を描いた部分を引用してみよう。
<引用開始>
売り場には作業台が2個、奥にもっと大きいのがひとつあるが、どれも略奪の後の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これぞ推理小説!絡み合う事件の糸を解きほぐすのは愛すべきオジメンです!
海外を舞台にした本格ミステリー小説。
十六世紀のフィレンツェで、宝石職人のジャンニ親方が、今で言うところの陪審員&裁判官のような役目に任命されたことで、数々の殺人事件の謎を追っていくことになります。
ジャンニ親方は、イケメンでも無いし、だらしなくてエッチな妄想全開な普通のおじさん、どうやって仕事をさぼろうかと画策しているうちに、深く深く事件に関わっていくことになるのですが、不思議なことにいつの間にかとってもカッコいいイケオジに見えてくるのです。
正にマジックのように!
それだけこの主人公が魅力的であり、作者様の人物描写が見事なのだと感動しました。
また、貧しい十六世紀の人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!中世にタイムトリップできる本格ミステリ。このおっさんがかっこいい!
舞台は16世紀のイタリア・フィレンツェ。市民裁判官に任命された彫金師のジャンニ親方は、連続殺人事件の起こるこの街で捜査に当たりますが、前途は多難つづきで……。
無精でだらしない中年男が、持ち前の鋭さで謎を解明していくところがかっこいい。その口から発せられるセリフも小気味よくウイットに富んでいます。力の抜け方とキラリと光る推理力のギャップがなんとも魅力的。
周りをかためる脇役陣も個性豊かです。気持ちが先走りしてしまう若い警吏や、親方に振り回される弟子、そして妖しい人妻……。複雑に絡み合った人間関係が殺人事件と結びつき、先が読めません。
巧妙に散りばめられた伏線から、糸がほどけるように謎が解け…続きを読む - ★★★ Excellent!!!16世紀のフィレンツェを舞台とした歴史色豊かなミステリ!
16世紀のフィレンツェ。物語は何やら男が拷問にかけられているという物騒なシーンから始まります。
主人公の彫金師ジャンニ親方は、口八丁手八丁な面倒くさがり。弟子からもダメ親方扱いされていますが、どっこい鋭い観察眼をもっていて、また意外と人情家でもあります。
八人委員会の裁判官に選ばれた彼が、次々と起こる謎の殺人事件を追う、というのがメインストーリー。
あちこちに散りばめられた伏線と怪しい人々、純粋なミステリとしても楽しめますが、この物語のもう一つの大きな魅力は描きこまれたディテールにあります。
工房のごちゃごちゃしている様子から、証人の家や酒場を訪れた時の椅子の上の汚れや猥雑な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!血が通った台詞廻しと、人間臭さあふれる人物を描かせたら右に出る者なし
16世紀フィレンツェ。ルネサンス三大巨匠の活躍の記憶も生々しい、花の都を舞台に繰り広げられる本格ミステリー。
現地事情に詳しい作者様ならではの説得力ある舞台描写に、人物設定。
魅力たっぷりの台詞まわし。人間臭さあふれる登場人物たち。
なかでも、清濁併せ吞む(濁の成分多めな)親方の、飄々とした人物像が出色の魅力。彼はもう、息をするように自然と下ネタを繰り出しますが、それがまた粋なのです。紳士淑女の皆様方にも安心して笑って頂きたいと思います。
親方以外の人々も多様な罵り言葉、厭味や誘惑の言葉では負けていません。台詞のひとつひとつに血が通っています。こんな台詞で市井の人々を生き生きと描き出すこと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!映画化希望の超大作ミステリー
メディチ家が実質的な支配者として君臨するフィレンツェにて。
宝石彫金師としての腕を持つジャンニ、その弟子ミケランジェロ、粗暴な警官レンツォ。
ある日、ジャンニの友人であるヤコボが死体で見つかって……。
まるで絡まる糸を丁寧に解きほぐしていくような繊細で、しかし意表を突くミステリー。
ジャンニ親方の魅力的な人柄を中心に、細かく描かれ尽くされた人間模様は、まるで海外の連続ドラマのよう。
登場人物はかなり多いのですが、相互関係がセリフや状況説明でうまく綴られているので、あまり問題にならないです。
これだけの相互関係をパズルのように書き分け、ピタリとピースが嵌る爽快なミステリーは初めて読みました…続きを読む - ★★★ Excellent!!!フィレンツェの彫金師(ムサいおっさん)と警吏(手癖悪い青年)が主役です
本編読了後のレビューになります。
16世紀のイタリア、しかもメディチ家が今まさに隆盛を極めんとしているフィレンツェが舞台という、ロマンあふれるミステリー。
しかし、その主役の二人が一癖も二癖もある人物なのです。
彫金師として一流の腕を誇る(はずの)ジャンニ親方は、自分の意に沿わぬ八人委員会(裁判官)に任ぜられ、本職も裁判官としての仕事ものらりくらりと逃げ回っています。
一方のレンツォは警吏をしている青年ですが、保管されている物品を骨董屋に横流ししたり、拘束されている人物に暴力をふるって脅したりと、清廉潔白には程遠い人物です。
けれども、事件の真相を追及しようという熱意だけは共通しているこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ルネサンス期フィレンツェが舞台の本格ミステリー
裁判官に任命されたぐうたらな宝石職人のジャンニ親方と、その弟子ミケランジェロ、荒っぽい警官レンツォの三人の視点を通して、葡萄酒運搬人ヤコポの殺人事件、さらには過去の大きな暗殺未遂事件の謎が解き明かされて行きます。
舞台となるルネサンス時代のイタリアが非常に緻密に作り込まれています。描写はくどくないのに読んでいて景色が浮かんできました。様々な謎が徐々に明かされ、ところがそのたび謎が増え、最後の最後になるまで一体だれが犯人かとドキドキしながら、駆け抜けるように読みました。
このサイトではそうそうお目にかかれないであろう、本格的なミステリーです。