概要
※第一章〜第四章修正済。第五章、加筆修正中。
【あらすじ】
暉(き)の国。
夜になると妖者と呼ばれる魑魅魍魎が跋扈する地。かつて国を脅かしていた邪悪な鬼術を操る一族が、伏魔殿に封じられてから数百年が経った今も、その影響は止むことはなく。
国の各地方を守護する五つの一族は、妖者によって日々絶え間なく起こされる怪異に手を焼いていた。
紅鏡(こうきょう)。金虎(きんこ)の一族に、痴れ者の第四公子という、不名誉な名の轟かせ方をしている、奇妙な仮面で顔を覆った少年がいた。
名を無明(むみょう)。
高い霊力を封じるための仮面を付け、幼い頃から痴れ者を演じ周囲を欺いていた無明だったが、ある出逢いをきっかけに、運命が回り出す――――――。
※以降ネタバレ注意※
【あらすじ】
暉の国。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!美しき中華世界で交わる、宿命と絆の物語
美しい描写で彩られた、中華ファンタジーの世界。
妖者や鬼が跋扈し、それを鎮める使命を持った五つの一族の物語です。
天真爛漫な無明と、寡黙に彼を支えるびゃくや。
ふたりの間にある想いの距離やすれ違いがもどかしくて、自然と感情移入してしまいます。
静かに進む関係の変化に、心がじんわりと温かくなる場面も。
心理描写はもちろん、衣装や街並み、建物などの情景まで丁寧に描かれ、
まるで映画のワンシーンのように目に浮かびます。
特に印象的なシーンは何度も戻って読み返してしまうほどの美しさ。
五つの一族それぞれの背景や、個性豊かな脇役たちもとても魅力的で、
世界観の作り込みの深さに何度も感嘆しました。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!痴れ者と不名誉な名で呼ばれた仮面の少年。しかし、その正体は――
本作は妖者が跋扈する国のお話ということで、ジャンルは作者様の十八番とも言える中華ファンタジーとなっております。
主人公は仮面をつけ、痴れ者を演じている無明くん。
彼は生まれながらにして高い霊力をその身に秘めていた為、それを封じるためにやむを得ず、仮面をつけているとのこと。
まずこの『強力な力を隠すために仮面をつけている』という設定の時点で、読み手の心をかなり擽ってきていると言えるでしょう。現に私は擽られました(笑)
ただ、不名誉な名を轟かせているとはいえ、理解者はしっかりといます。
その理解者とのやり取りが、またほっこりとして、その関係がどのように進むのかも、御作の注目ポイントになると…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魍魎を狩る者たちの假面の告白
未だ霊妙の絶えない遥かな世、假面で貌を蔽った少年が、数奇な運命に操られ、宿命に手繰り寄せられ、険峻な途を征く。災禍を齎らす魍魎は未だ滅び去らず、異能の力を備えた術士も亦、任重くして、立ち止まること許されず。
物語の舞台は遥か昔のオリエントを偲ばせつつ、現代人の身近にある並行世界の如し。登場人物の揺れ動く心は、遠い彼の地とは無縁の親近感を抱かせるもので、感情移入も軽やかに読者を魅了、魅惑する――その點は、本作の特筆すべき処、語り部の見事な手綱捌きと申せましょう。
白眉は、主たる無明と白笶の織り成す奇縁と絆。假面の下に隠された白皙が思いも寄らぬ真実を明かし、新たな物語を朗々と唱い上げる。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!感動のエンドロール!泣こ?美しき神の子のものがたりで!
このお話の他の方のレビューを見ていただいた方は、この物語がどれだけ洗礼された美しい表現で描かれているかわかることかと思います。
ですので、私は物語のネタバレがない読書感想文を書きます(^^♪
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紅鏡。金虎の一族に、痴れ者の第四公子という、不名誉な名の轟かせ方をしている、奇妙な仮面で顔を覆った少年がいた。
――名を無明。
これは、作者さまが作品のご紹介に書かれた一文です。
そうなのです。
痴れ者の第四公子、物語はこの痴れ者無明から始まったのでした。
母に対しての事件に伴い、代わりに舞う痴れ者。
私はその舞の描写に心奪われ……気が付けば、最後涙でびっしょりになって最終話を迎え…続きを読む