美しい描写で彩られた、中華ファンタジーの世界。
妖者や鬼が跋扈し、それを鎮める使命を持った五つの一族の物語です。
天真爛漫な無明と、寡黙に彼を支えるびゃくや。
ふたりの間にある想いの距離やすれ違いがもどかしくて、自然と感情移入してしまいます。
静かに進む関係の変化に、心がじんわりと温かくなる場面も。
心理描写はもちろん、衣装や街並み、建物などの情景まで丁寧に描かれ、
まるで映画のワンシーンのように目に浮かびます。
特に印象的なシーンは何度も戻って読み返してしまうほどの美しさ。
五つの一族それぞれの背景や、個性豊かな脇役たちもとても魅力的で、
世界観の作り込みの深さに何度も感嘆しました。
静かに熱を帯びていく関係性と、壮大な異世界の物語。
中華ファンタジーが好きな方、心に残る物語を読みたい方に、ぜひおすすめしたい一作です。
本作は妖者が跋扈する国のお話ということで、ジャンルは作者様の十八番とも言える中華ファンタジーとなっております。
主人公は仮面をつけ、痴れ者を演じている無明くん。
彼は生まれながらにして高い霊力をその身に秘めていた為、それを封じるためにやむを得ず、仮面をつけているとのこと。
まずこの『強力な力を隠すために仮面をつけている』という設定の時点で、読み手の心をかなり擽ってきていると言えるでしょう。現に私は擽られました(笑)
ただ、不名誉な名を轟かせているとはいえ、理解者はしっかりといます。
その理解者とのやり取りが、またほっこりとして、その関係がどのように進むのかも、御作の注目ポイントになると感じました。
まだ一章と序盤までしか読めていませんが、お話と共に読み手の世界も広がっていくような、そんな作りになっていますので、気になった方は是非、目を通すことをオススメいたします♪
未だ霊妙の絶えない遥かな世、假面で貌を蔽った少年が、数奇な運命に操られ、宿命に手繰り寄せられ、険峻な途を征く。災禍を齎らす魍魎は未だ滅び去らず、異能の力を備えた術士も亦、任重くして、立ち止まること許されず。
物語の舞台は遥か昔のオリエントを偲ばせつつ、現代人の身近にある並行世界の如し。登場人物の揺れ動く心は、遠い彼の地とは無縁の親近感を抱かせるもので、感情移入も軽やかに読者を魅了、魅惑する――その點は、本作の特筆すべき処、語り部の見事な手綱捌きと申せましょう。
白眉は、主たる無明と白笶の織り成す奇縁と絆。假面の下に隠された白皙が思いも寄らぬ真実を明かし、新たな物語を朗々と唱い上げる。
艶やかな演舞、物静かに流るる笛の音。背を飾る風景も鮮やかに、細やかに、恰も一幅の屏風絵のように、読み手の眼前に広がり、綴じることなし。
諸氏に於かれては、是非とも、此の重層的な神代の絵巻を御堪能あれ。
このお話の他の方のレビューを見ていただいた方は、この物語がどれだけ洗礼された美しい表現で描かれているかわかることかと思います。
ですので、私は物語のネタバレがない読書感想文を書きます(^^♪
✿
紅鏡。金虎の一族に、痴れ者の第四公子という、不名誉な名の轟かせ方をしている、奇妙な仮面で顔を覆った少年がいた。
――名を無明。
これは、作者さまが作品のご紹介に書かれた一文です。
そうなのです。
痴れ者の第四公子、物語はこの痴れ者無明から始まったのでした。
母に対しての事件に伴い、代わりに舞う痴れ者。
私はその舞の描写に心奪われ……気が付けば、最後涙でびっしょりになって最終話を迎えていました。
何を書いているんだ?と思われると思いますが、その仮面の痴れ者がクールに可憐に舞い魅了するのですが、それは仮面の彼。
そこから読み進めると、どんどん人懐っこい、無垢な無明くんの素顔が描かれていきます。
その、悪意の無い天然のイケズに、彼のもとに集う身も心もイケメンな皆様がきゅんきゅんされ、振り回されるところは、もう……たまりません( *´艸`)
え?それで何故泣いているんだって?
そこは、この中華系の美しいお話が……。
沢山の悲しい出来事や悪意、そして、主人公の秘密など……山でキュンしたと思ったら、谷で落ち込み、それを幾度と繰り返し、そして最後が……本当に本当に感動したからなのです。
中には閲覧注意の怖いお話もあります。
悲しい結末もあります。素敵なBLもあります♪
そのひとつひとつが最後のエンディングに向かい、徐々に真実が明らかになり、大きな大きな感動を生み出します。
➡真実の幾つかは新編『彩雲華胥〜轉合編〜』に引き継がれます。
っと。すみません。。
最終話を読んで感動(安心)してこちらを書かせていただいておりますので、参考レビューになっていないかもしれません(;^_^A
多分私が今、ネタバレ感想文書けば明日の朝まで書いていると思います。
それくらい、深く深く物語に入り込める素敵な幻想的で美しい物語――。
まずは、最初の1話をご覧ください。
大丈夫です。ゆっくり読んで下さい。私は2か月かけてゆっくり物語に浸りながら読みました。
そして、気が付けば、最終話で涙していると思います。それは悲しい涙ではなく感動の涙です。そこだけはネタバレしておきます。。
本当に素敵な幻想組曲でございます。
(親しみを込めて)なぎさん。素敵な物語をありがとうございました!!!!
えっと、「中華ファンタジー」です。私は「歴史」が好きなので「中華系」の物語はよく読みますが、この物語は「中華ファンタジー」を描写する力では、頭一つ抜けてるのでは?と思わせてくれる作品になります。
物語としては、高い能力を持つゆえに「疎まれる」感じの主人公でして、最初はちょっとかわいそうだなという気持ちになったことを覚えています。そして、そこから徐々に持ち直していくという感じになると思うのですが、すいません、まだ二章までしか読めていないので、そこらへんについては、ちょっと言及ができません。
ただ、世界観やキャラの設定が「丁寧」に作りこまれているのは、読んでいてすぐわかりまして、そういう本格的なお話が好きな人には向いている本だと思います。ただし「BL」要素はありますので、そういうのが苦手な人は注意が必要だと思います。
この物語の主人公・無明は、高い霊力ゆえに顔を白い仮面で覆われ、屋敷の者からは痴れ者と蔑まれていました。
ですが、白笶との出会いと、奉納祭で起こった事件から、無明の運命は回り始めます。
現在第二章まで読了。
作者様の丁寧な描写によって、情景が目の前にありありと映し出されます。
美しく、どこか静謐な世界観。
そして天真爛漫な人たらしの無明と、強くクールだが無明にだけは甘い白笶。
美しい世界観とキャラクター達の魅力に、ページを捲る手が止まりません。
また、無明と白笶の過去には何かが隠されていそうで、続きが気になる!
BLってあんまり読んだことなかったんですけど、ちょっといいかも……と思いました(笑)
中華ファンタジー好きな方に、お勧めの作品です♪