概要
どうぞ、告解をなさい。神は全てをお赦しになるでしょう。
驟雨はげしい春の夜、若き司祭アルセン・ベロワは廃教会にて子どもを拾う。類まれなる美貌を備えたその子どもはユーリイと名乗るが、彼はおぞましき異形の存在であった。
とある男が告解部屋で語りはじめる、かなしくも奇怪な物語。
とある男が告解部屋で語りはじめる、かなしくも奇怪な物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!生まれつき邪悪で、誰より純真な少年の生きる道
──そうしたら……神さまは、お喜びになる?
蜂蜜色の瞳をした少年がそっと、敬虔に、そう尋ねます。
控えめで心優しく、純真な少年ユーリイ。兎を抱き、花を愛でる子供。けれど彼は人の生き血を欲する〈異形〉として生まれました。
彼は果たして罪の子なのか?
「こんな美しい心根をもつ子を、神が赦さぬはずはない!」
読みながら私はそう確信します。
けれどそう考えるのは、少年を匿い育てるアルセン神父も同じです。そして彼はそのように考えた上で、成長するにつれ強くなってゆくユーリイの「本能」に苦悩します。
日を増すごと邪悪に、うつくしく育つ。けれど変わらず清らかで優しい存在は、果たして罰せられるべ…続きを読む