概要
優を幸せにしたいと感じ始める拓海。一方で、かけがえのない恋人、真木花絵を失いたくない思い。揺れ始めた関係の中で、花絵の過去と、男性を愛することができない彼女の現実が浮かび上がってくる。そして、花絵を心から愛する女性の存在……。
大切な人との関係を失うことなく前へ進むために、彼らが選んだ方法とは? そしてその行く先は——。
人を愛するって、何だろう? 「普通」と呼ばれる愛情の形を超えて、若者4人がそれぞれの「愛し方」を手探りする物語。
※同性同士の恋愛も描かれますが、基本的に性別にあまりこだわっていないストーリ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!微妙な関係の彼女からの奇抜な提案。「普通」じゃない同居生活始めました。
愛する彼女がいるのに、気になる人ができてしまった。真面目な拓海は悩んだ挙げ句、花絵に真実を打ち明ける。
すると花絵も切り出した。私も別に想い人がいる。あなたもその人も、どちらも大切な人。
「だから……私たち、一緒に暮らしてみない?」
拓海とヒロ、どちらも手放したくない花絵。
そんな花絵を一途に愛する、才色兼備なヒロ。
拓海に思いを寄せる、孤独を抱えた青年、優。
そして、花絵を愛しつつも、優の側にいてやりたいとも願う、拓海。
「みんなで幸せに」
そんな願いのもと和気藹々と始まった四人の共同生活は、徐々に危うい空気をはらんでいく。
自分の気持ちにどこまでも真っすぐな花絵に対し、覚悟が決まらず…続きを読む - ★★★ Excellent!!!男女四人、同居中。性別関係なく、人を愛することを真剣に考えたくなる物語
普通の男女カップルだった二人に、それぞれ同性に気になる人が見つかった――
そんな驚きのシーンから、物語は始まります。
付き合ってる相手も大事だけれど、それぞれの同性相手のことも大事で。
完全にひとりに絞ることができない。
性別関係なく、ずっとそばにいたい。
若い男女が、傷つき、もがき、悩みながら、人を愛するということに真剣に向き合っていきます。
四人の男女、それぞれのキャラクターがはっきりとわかりやすく、みんなそれぞれ魅力的なのがとてもいいです。
ついつい、全員を応援したくなってしまいます。読者も複雑!
真剣に恋愛を語っていますが、語り口はくどくなくてとても読みやすいです。
恋愛ものを…続きを読む - ★★ Very Good!!歪な四角を丸く収める、その方法とは――?
四角に対立線を引いて、すこし崩した人間関係のギリギリで保たれた丸く柔らかい角度――キャラクターたち――
誰かを愛するには、誰もを手放さなければならないのか、という反転する問い。
愛とは何か?
分け隔て無く、分かち合うものだろうか。
或いは惜しみなく、与えるものだろうか。
そこに優劣はあるのか、誰かの1番になることが正解なのか、もしくは答えがあるのか。
苦悩する姿は、誰もが幸せになれるかもしれない、そんな未来へ手を伸ばすように見えながら。物語は、淡い桃色の花片――季節――を、雪のように融けて消してしまう現実かもしれない。
余韻と予感をして、もう少し深く長く読みたい、と思…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心からその人を愛するなら、性の区別など不要ですぜ!
人は独りで生きていくためには、あまりにも小さな力しか与えられていません。その代わり、人を愛するという、他の動物では考えられないほど大きな本能を保有しております。
そしてこの愛は、子孫を繋いでいくために神から与えられた使命をも帯びているのです。
ただ、「人を愛する」本能には、子孫繁栄には結びつかない「人を愛する」心を持つ人たちもいます。でもそれは、神の意思に反することなのでしょうか。
答は「否」です。人を愛することと、子孫を作ることを数式のようにイコールで結びつけることほど愚かなことはない、と考えるからです。
今作は、自身の遺伝子を子孫に受け継がせることよりも、目の前にいる、ただその人だけを愛…続きを読む - ★★★ Excellent!!!普通は想像だにしない四角関係の行末。
この四角関係という構図を思い付いた時点で星3つは確定ですね。
色々書きたい事は有るけれど、ネタバレに擦りそうなので、今回は自重します。
ところで、aoiさんは未婚者でしょうか。既婚者ならば、当事者同士の問題が片付いたら、子供は?が次なる課題だという意見に賛同頂けると思います。まぁ、個人の考え方は様々で、あくまで一般論ですが...。仮にそうなると、現実解は花絵の提案しかないわけです。生物学的に。ヒロも同意していましたしね。
私は、ここで終わらずに結婚・出産まで取り組んでみたら、つまり、もっと長い小説にしてみたら面白いんじゃないかと思います。ただでさえ、結婚となると、好きだけじゃ物事は進みません…続きを読む