心からその人を愛するなら、性の区別など不要ですぜ!

人は独りで生きていくためには、あまりにも小さな力しか与えられていません。その代わり、人を愛するという、他の動物では考えられないほど大きな本能を保有しております。
そしてこの愛は、子孫を繋いでいくために神から与えられた使命をも帯びているのです。
ただ、「人を愛する」本能には、子孫繁栄には結びつかない「人を愛する」心を持つ人たちもいます。でもそれは、神の意思に反することなのでしょうか。
答は「否」です。人を愛することと、子孫を作ることを数式のようにイコールで結びつけることほど愚かなことはない、と考えるからです。
今作は、自身の遺伝子を子孫に受け継がせることよりも、目の前にいる、ただその人だけを愛していきたいという心を持つ、男女四人の物語です。
様々な葛藤、軋轢、差別、などを乗り越えて、本当にその人だけを愛していきたいと願う主人公たち。
彼ら彼女たちが、なぜ共同で生活するようになったのか。言葉、文字を自在に操る作者が描く、青春ラブ・ストーリーです。
BLが苦手なかたでも、この物語には心から共感できると思います。
全三作のオープニングを飾る今作。
新たな見識が広がるチャンスです。ぜひご覧になってください。

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