杜松の実

心当たりがある方は３話からお読み下さい。 ２話までは経緯です。

とある二人のごろごろおうち時間。

ふうん、と母は答えつつ、目玉焼きを二つに割った。とろり、と半熟の黄身が溢れる。ぱっくりと割れたその格好は、どこか傷口を思わせた。鋭利な刃物で、切りつけられた真っ白い皮膚……。

これは例の、アレです。 ウェブ作家に幸福が訪れますように。

死刑執行係の話です。

新人賞の選考会に、新たな風が吹き込んだ。 誰もが受賞を認める小説の作者から、編集者の島田は「新人賞の受賞を辞退します」という衝撃の言葉を告げられた。 島田はその才能を諦めることが…

【白と黒の争う世界を生き抜く二人のお話】 ※以下の自主企画に寄せて書きました。 ・『偽教授相棒杯』 企画URL：https://kakuyomu.jp/user_events…

父は青年だった頃の思い出を語り始める。 絵を描くのが好きだったこと。小説を書いていた友人がいたこと。はつ恋の「彼女」のこと。そして、父が書いた小説のこと……。 自主企画「大一回…

どうぞ「1」から順にお読みください。そうでないと意味がわからないと思います。 30話もありますが、すぐに読み終わります。 できればブラウザで読んでいただきたいです。 カクヨム…

こちらの作品は「大一回ジュニパーベリー文学祭」にて、優秀脚本賞ならびに優秀筆磧賞をいただきました。 雑誌に小説を載せることになった僕が、担当編集者の岸和田さんとの交流をつづった…

「小説を書く」というテーマで詩を書きました。 ジュニパーベリー文学祭のため、書き下ろし。 2021年11月。 https://kakuyomu.jp/user_events/1…

森鴎外『鼠坂』よりインスピレーション 初の短編 10分程度で読めるかと思います ジュニパーベリー文学祭書下ろし

私は元夫の書く『私』が嫌いだった。 私は元夫の言葉が嫌いだった。 自主企画「大一回ジュニパーベリー文学祭」のために書き下ろし。 2021年11月。 https://kakuy…

　挫折し、書くことから逃げた晴一と、彼のweb純文学の心底のファン「ポテチの森」。 　葛藤を乗り越え、三年振りに小説を書き、アップした晴一。 　そんな彼の前に「ポテチの森」本人が…

KAC2021·····……｢私と読者と仲間たち｣ ※作中の指摘・感想・企画は全てフィクションです。 ※作者の三谷本人は、自分の文章はそれなりに読めるしまあまあ面白いだろうと思…

〈きょうもふたりが物語を盗まれた、と街中放送の無機質な声が伝えていた。〉 【この街では創作こそがすべてであり、創作とは想像力であり、想像力とはどこまでも自由であるものだ】 創作の…

「安心してください、綿貫春風先生は立派な小心者ですから」 新しい担当編集者は、そうやって褒めてるんだか褒めてないんだがわからない言葉で僕を励ました。 仕方がないのでペンを執る。 …

昭和初期の仙台、10月のとある夜に散歩を決め込む楽士と市電車掌。 女奇術師率いるお伽歌劇千穐楽に行きそびれたことを惜しむ車掌の前に、ダンスホールの秘密、もと玉乗りの身軽な男装の娘…

中学生の僕と幼馴染の、精一杯の旅のお話。 ※ラブコメ要素皆無です。

『黒髪長髪の幼なじみと旅する話が読みたいです』によせて書きました。二作目です。 残酷描写などは特にありませんが、人によってはグロテスクと感じられるかもしれません。また、拙作『EG…

こちらは小説家になろうで掲載させていただいている『雨が心臓を食べるので』を書き直したものなっております。

突然の娘の死に、悲しみに暮れる夫妻。 しかし夫妻は思い出す。 それは一年も前のこと。 ――怪しげな行商人から、『願いを三つ叶える』という代物を貸し出されていたことを――

江戸末期、不作や米価の高騰に苦しむ小作農民たちは、武蔵国の山村で「世直し」の旗印を掲げて立ち上がる。 激動の時代を生きた農民たちの物語です。

題名そのまんまです。SSなので隙間時間に読んでいただければ幸いです。 ※話中に登場する全ては作者による空想であり、実際の国や人物とは関係ありません。また、貶す意図もありませんので…

『独占密着取材！　希代の天才科学者が、アインシュタインへ下克上！　宇宙航行の既成概念を覆す！』──そんな眉唾記事のために希代の天才老科学者を密着取材した青年記者は、驚くべき奇論へ…

地獄で知り合いを探して数日、どうにも見つけられなかった「私」は。 「紙の町の魔女」のシリーズですが、今回魔女は出ません。 ☆『紙の町の魔女』として〈小説家になろう〉〈pixi…

盲目のいとこは、大学で幾何学を専攻しているといった。 数学者ダフィット・ヒルベルトの言葉に、「幾何学はテーブルと椅子でもできる」というものがあります。何かと名言の多い、素敵な数…

自主企画「第二回こむら川小説大賞」が楽しそうなので書きました。とても楽しかったです。 頑張って擬態したつもりなのですが、本企画の趣旨に合えば幸いです。 女の子が主人公なので、かわ…

宮尾伊織の家は先祖が殺した猫『おタマ様』に代々祟られている。誕生日に婚約者から結婚資金を持ち逃げされた伊織は、突然、祟り神・おタマ様が見えるようになった。「アンタが七代目を産めず…

ジーンは独り言つ。分かっている。自分がこの「月の裏側」に転属となったのは「罰」なのだと。 物語はユーラシア革命軍の軍医、ジーン・カナハラが愛娘のアイリーンを連れ「月の裏側」にある…

とある国の狂った演説者が主張した、狂った世界からの脱出演説。 ーー誰が悪いのか。誰が赴くのか。 ーー言葉は、皮肉過程となって"あなた"のもとへも入り込む。

　仕事が終わり行くあてのないことに気づいた俺はただ東京の寂しい摩天楼を歩いている。往来する人間は皆、無くした何かを求めさすらっているかの様に見えてしまう。かく言う俺も何かを失って…

「いっちねんせいになったら、ともだち100人、でっきるかな？」 遠い未来、人類が増えすぎた宇宙で行われる、とある春の儀式のおはなし。 KAC2021「スマホ」参加作。

如何にして私は心配するのをやめて推し尊いするようになったか

日本の空に花束の大群が飛来した。 太陽光は花束に遮られ、まだ昼過ぎというのに外は夜の様に暗かった。 「うわーっ、逃げろー！」

第四回こむら川小説大賞参加作です。 池に黄菖蒲が咲く五月、無名の小さな神社。 お寺で不思議な光を見た主人公は、その光が視えるものなら体験できるという不可思議を求めて神社へ向かっ…

彼は自らの憧れが鋭い凶器であると知った。 自分の心をすり減らす日常に疲れ、遠く旅立つことを決意する。 そんなとき、彼女は「本当に月の裏側へ行ってしまうのか」と確認する。 彼女は…

第二回へびふくろう座文学賞、二作品目になります。※レギュレーション「灰色の男」を必ず登場させること。 その後、参加自主企画【第２回　女性作家の集い】【天川賞】で、主催者・天川様…

ボタンを押す。そうすればなんでも思いどおり、のはずだった。

吾輩は転々と住処を変える長命の白猫。今は菫という名のばあさまと仲よく暮らしている。彼女も十五年前から年を取らなくなったらしいが……。さて、彼女は長年の懸案事項を解決できるのか。人…

ある日のこと。そのなかでも、午後のうちのこと。 舞台は、ある国の、ある山の、ある森のなか。 季節は、夏とも秋ともつかないようで、ときおり思い出したように空を鳴らし、ぶつぶつとなに…

戦闘機パイロット・少年レトロの物語。

一体何の会話？ 読み進めると分かります。 全て会話文のみで綴った、コント風ショートショート集。 世の中のあちこちに潜んでいる（かもしれない）生理的に無理！を集めました♪

女オタク版『まんじゅう怖い』です。他人の嗜好に口を出しちゃいけない。 ※第十一回本物川小説大賞に参加した作品です。

ディンビー国の城のてっぺんにドラゴンが居着いた。これはその時の騒動の真実の記録である。

夏休みが明ける9月1日は10代の自殺率が最も高いそうです。ヤですね。

就活で不採用続きの加藤亮一が自殺しようとやって来た廃ビルの屋上で出会ったのは、面接官のような質問をしてくるリクルートスーツ姿の死神で!? 　――人間と死神のズレた倫理観が織りなす…