概要
月の裏側にある都へ行くつもりなんだ。
彼は自らの憧れが鋭い凶器であると知った。
自分の心をすり減らす日常に疲れ、遠く旅立つことを決意する。
そんなとき、彼女は「本当に月の裏側へ行ってしまうのか」と確認する。
彼女は意志を確認するために、僕のもとへやってきてくれた。
自分の心をすり減らす日常に疲れ、遠く旅立つことを決意する。
そんなとき、彼女は「本当に月の裏側へ行ってしまうのか」と確認する。
彼女は意志を確認するために、僕のもとへやってきてくれた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!忙しなく過ぎる日々に疲れたら
主人公は日々に心をすり減らした社会人の男性。
彼は溜池公園の長椅子に腰掛けて柵の向こうに浮かぶ淀んだ色の湖面を眺めていました。
その時、目の前に長い黒髪の少女が現れます。
彼女は男性をジッと見つめてから、「あなた、ホンキなの?」と聞いてきます。
男性がどうして自分に声をかけたのかと尋ねると、「月の裏側に行ってしまおうとしていたから」との答えが。
溜池と彼らを区切る柵の向こう側には、真っ白な白昼の月が浮かんでいました。
彼女は月に行こうとしている人の鼓動を感じることが出来るようです。
けれど、月の裏側の保安員でもなければ案内人でもありません。
ただ最後にちゃんと意思を確認…続きを読む - ★★★ Excellent!!!晩秋の風が冷たくなった夜、そっと胸の温度を戻してくれる
現実の重さに押しつぶされそうになった主人公が、
ふいに現れる少女に導かれ、
気づけば武蔵野のような原野と銀白の荻、そして巨大な昼の満月に佇んでいる——
その光景の描写が圧倒的に精密で、読者の感覚まで一瞬で引き込んでしまう。
この作品は“解決”や“救い”を語りません。
代わりに、
「いま少しだけ、終わりを延期してみよう」
という静かな決断を描きます。
それが読み手にとって、とても大きな力になる。
比喩は繊細で、古典の引用も自然に馴染み、
現実と幻想の境界がほどけるような読後感がある。
“夢十夜”や“村上春樹のごく短い一篇”のような味わいの短編が好きな人には間違いなく刺さるはず。
短いけれ…続きを読む