重すぎる幼馴染が今日も甘えながら私を縛ってくる

ひなたは明るくて、
ゆきは静かで、
ふたりは正反対なのに、
なぜか同じ場所で息をしている。

家では甘えてくるひなたも、
学校ではみんなの中心に立つ。
その差が大きいほど、
ゆきに向ける気持ちが
本物なんだと分かる。

でもゆきは、
少しだけ世界を広げたかった。
ひなたとは違う友達を
作ってみたかった。

その小さな一歩が、
ひなたの胸の奥に波をつくる。

怒っているわけじゃない。
嫌っているわけでもない。
ただ——
ゆきを大事に思う気持ちが
形を変えて溢れただけ。

ふたりはまだ、
その距離の取り方を
探している途中。

甘さと不安が混じった、
“心の成長の手前”みたいな物語だった。

恋は狂気とも言います。

主人公の幼馴染に対する依存と独占欲がじわじわ滲み出ているホラー風味の百合、でしょうか。

友達ができた瞬間に態度を急変させたり
人気者の立場を捨ててまで追いかけてきたり
他の友達を作ったら不機嫌になったり

提示する交換条件が危険だったり…そこは友達の範囲を超えていると思うし、

いわゆる依存関係の典型パターンで、読む側は逃げ場のなさにぞわっときます。

ホラー描写をしていないのに、人間の感情と関係性でここまで怖さを出せるのが、めちゃくちゃ上手いなあと思います。

重すぎ百合ワールド全開です。