とても詩的で、幻想的な文章が続きます。何か穏やかな曲を聴きながら、集中して読みたい物語たちです。そうすれば、頭の中に空間が広がり、まるで、そこに迷い込むことが出来るような世界観を持っています。物語の中では、『存在』『自己』『居場所』などの、内省的なテーマが見受けられますが、読み進めるうちに「あ!そういうことか!」という驚きの仕掛けもあって、構造的な面白さも感じられます。この表現力、お見事です!
美しくも不思議な世界が詩のように綴られていて、その卓越した文章に呑まれます。
不思議な世界観にとても魅了されました。それでいて登場人物たちの瑞々しい感覚が伝わり、読んでいるこちらも感覚を共有して不思議な世界を現実のように理解できる不思議で楽しい読み心地でした。
ホラーとあったのでびくびくしながら読みましたが、圧倒的な世界観と文章力に引き込まれました。単話ですが、どの作品をとっても情景が目に浮かび、そして発想力も素晴らしいです。作者様の見た夢から書いているようですが、絵の中から飛び出てくるような世界観を味わえます。是非ご一読ください。
存在や記憶、喪失と再生といった普遍的なテーマを、幻想的な舞台と繊細な文体で綴った短編集。五作それぞれが独立しながらも、どこか地続きの感触を持ち、読者に“静かな問い”を投げかける。詩的な語りと確かな情緒が光る、上質な幻想文学の世界。