木古おうみ

では皆さん、昔は焼鳥には何の鳥が使われていたでしょうか？ はい、鶏です。残酷ですね。 では、今は？ その通り。フェニックスです。 幻想生物がインフラに組み込まれた現代、毎日二トン…

“遺失物法28条1項” 物件の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。 KACお題お笑い/コメディ…

「おれ、第六感があるんだ」《そんなものあるかよ》 「守護霊みたいなものがいて危ないこととか迷ってることの答えとか教えてくれるんだ」《俺だよ、お前の台詞に俺がルビを振って解説してや…

有名人の遺伝子を培養した肉を食べられるレストランで、元同級生のアイドルに気づかれないようファンを続ける女と地雷系女が推しの肉を食べる話。百合かもしれない。 KACお題:推し活参…

ひとと妖怪が密かに共生する東京で唯一の緩衝地帯、化け物喫茶で惨劇が起こった。 コーヒーは錆色に、BGMは悲鳴に、カーテンは血の幕に変わる。 それは令和に蔓延る新しき怪異による古…

私は失業中で、ゴミだらけのアパートに住んでいて、もしかしたら気が狂っていて、人魚を飼っている。 どこまでが現実か夢かわからないが、事の始まりはあの女だ。ベランダで煙草を吸うときに…

十月三十一日・ハロウィン、生徒たちの祭典が行われるはずだった全寮制ミッション系男子校は見えない力によって外界から閉ざされた。 閉じ込められた十二人の生徒とロビーに転がるひとつの死…

遥か昔、勇者が魔王を倒した。伝説はそれで終わりのはずだった。 魔物は死霊術師を筆頭に王の復活を求め、魂の器を探して各地で死体を蘇らせる。再びこの地に転生した勇者陣営がそれを追う…

科学的にあり得ない事件を起こした囚人たちを収容する刑務所で、カウンセラーをする「ぼく」の断片的な記録。 SCPみたいな話をやってみたかった。ダラダラ書いていきます。 追記：カ…

朝起きたら、私以外世界中のひとが私の同級生になっていた。 少し大人びていて、アメリカの写真家と平成初期のロキノン系バンドの音楽が好きで、パソコンの授業のとき以外話したことがない、…

妖怪が人間の文明のインフラに組み込まれてから、早何年。 俺が局長を務める羽目になっている“怪異運用技術開発局”は新たに人類が支配下に置いた妖怪を見つけては、文明の利器として有用性…

※この作品は、『氷海のヴェルヌ』の作者KOUKINGさんに許可を得た上での二次創作です。この作品に関する一切の権利はKOUKINGさんに帰属し、何かあった場合修正や削除する場合が…

あの女は文字で、数式で、0と1の並んだプログラムだ。 俺はwebサイトを見てる最中に鬱陶しく指を追いかけてくる類のよくある恋愛ゲームの中の登場人物。辺境伯、面と家柄が自信になっ…

銀文鳥さん企画の秋の短編・掌編講評会に参加させていただき、お題「透明」で書いたときのものです。 祭りの夜、迷い込んだ見世物小屋で興行師の男が語る目玉商人「透明女」の話。

仕事を辞めて“俺”が夜勤スタッフになった安い老人ホームの二〇一号室には、悪魔がいる。 老人は真夜中だけ美しい若者の姿になり、「女の命を吸ってずっと生きてきた」と語る。 ひとりの女…

辺境伯の妻を選ぶパーティのため招かれた館は凶悪な罠が張り巡らされたデスゲームの会場だった！ 未来の夫主催の狂宴に招かれたのは九人の花嫁候補！ 王国近衛兵長に育てられた女傑・シン…

最期に聞こえた、「償え」と–– “キラーズ”––生前、大量殺人を犯した者又は大量死の原因になった者は、死後罪を償うため、ひとつの異能を与えられ様々な世界に転生し続ける存在になる…

何ぞ騒がしいと思ったら、鴉が鳴いとるんか。私はあの羽音が嫌いでなぁ。 昔この廓に鳥の名のつく遊女がおった。どこにも飛んでも行けんというのにな。 私は鴉よりその羽音より何より、あの…

カクヨム2020夏物語コンテストのSF・ミステリー小説部門で特別賞をいただきました。ありがとうございました。 クローンとAI技術を迎えた2020年。 大昔に逝去した文化人の遺伝…

物を食べては吐く“私”は、唯一食べたいと思った綺麗な同僚の顔写真を肉に貼って冷蔵庫にしまっていた。それだけのはずだった。いつからか冷蔵庫の中の彼女はキッチンにまで現れて、ありもし…

とある国で生まれた死人を生き返らせる兵器が漂着したと聞き、調査のため、切り立った崖に囲まれた昼間でも薄暗い海辺の田舎を訪れた学者の口述筆記。陰惨な村人たちの語りは、潮のように渦巻…

平均寿命が伸びて、大抵の病気は治せて、子どもは守らられて、安楽死が認められた世界で生きる「僕」たちは、夢も希望もない。 そんな中聞いた噂では、街のブラックマーケットではお金と好き…

ある日ゾンビが現れて、パンデミックが起こったけれど、世界は終わってくれなかった。 連綿と続く日常の中、母親がゾンビになっても泣かなかった高校生の「僕」は、罪滅ぼしに「僕」と十…

俺がまだ、ひと昔の“どこにでもいるごく普通の少年の前にある日突然美少女が降ってくるシチュエーション”を作るため、通学路や土手の上にある工場からカタパルトで美少女を落とす仕事をして…

学者さん、あんたお若いのになんだって、こんな話なんか聞きたがる？ まぁ、うちの村は養蚕が盛んだったからねぇ。つまらんだろうが、俺でよけりゃ話しましょう。蚕と、うちで採れる絹糸の話…

「機体が揺れ、もう何度目か数えもしなくなった墜落が始まる。傾く視界も、身体にかかる重力も、警報の音も同じだ。 僕たちの搭乗する333便はエンジンの不調からコントロールを失い、三分…

教会の地下深くに封印され、十三年毎に移送され、厳重に接触を禁じられる少女“ロザリー”とそのルールに纏わる記録。scpみたいな感じです。ホラーよりSFのが近いかもしれない。簡単に読…

“ゾンビ”ってどういうものかよくわからないから入りにくいというあなたに、ゾンビの成り立ちとか特性とかから初心者向けのゾンビ映画まで簡単に話します。 普段は刑務所の話とかド田舎の…

巨大な龍が上空を周回し続けている世界で、20年ぶりに龍が東京を通過する日。「私」は来るはずがない友人を待つ。「俺」はこんな日に犯罪者になろうとしている。「僕」は曽祖父の猟銃を持っ…

僕が片腕のない兄とふたりで暮らすこの谷底の町は、製鉄業で成り立っていて、数百年前から何も変わらないほど穏やかで、時々化け物が紛れ込む。 今年の文化祭にうちの大学の文芸部で配る冊…

火山に取り囲まれながら、常に真冬のように凍り付いた、誰も立ち入らない集落。そこを支配するのは飢えと疫病、密告と生贄で成り立つカルト教団。 妹を処刑された女は密告者へと変わる。 十…

大学の文化祭で配布する部誌に掲載したやつです。お題は「夕暮れ」でした。

犬井作さんの企画「蝶を吐く」に参加させていただきました。喉から蝶の形の欠片を吐いて死に至る風土病がある土地に、母の葬儀のため戻ってきた弟と、土地に縛られる兄と、そういう感じの話で…

大学の文化祭で配布した部誌を文学フリマでも配布する予定だったのですが、部数の関係でなくなったので、部誌に掲載した自分の原稿を載せます。 お題は「３分」。文字数4000字以内縛りで…