概要
333便は何の因果か、墜落までの三分間を永遠に繰り返している
「機体が揺れ、もう何度目か数えもしなくなった墜落が始まる。傾く視界も、身体にかかる重力も、警報の音も同じだ。
僕たちの搭乗する333便はエンジンの不調からコントロールを失い、三分間上空でもがき続けた挙句、海に墜落した。そして、気がつくと僕はまた揺れる機体の座席にシートベルトで縛りつけられている」
何故か墜落するまでの三分間を繰り返し続ける飛行機の中で、永遠に来る始まりと終わりを待つ「僕」を含めた乗客たちの話。
『カクヨム3周年記念選手権~Kakuyomu 3rd Anniversary Championship~』【6日目お題】『最後の3分間』に参加させていただきます。
僕たちの搭乗する333便はエンジンの不調からコントロールを失い、三分間上空でもがき続けた挙句、海に墜落した。そして、気がつくと僕はまた揺れる機体の座席にシートベルトで縛りつけられている」
何故か墜落するまでの三分間を繰り返し続ける飛行機の中で、永遠に来る始まりと終わりを待つ「僕」を含めた乗客たちの話。
『カクヨム3周年記念選手権~Kakuyomu 3rd Anniversary Championship~』【6日目お題】『最後の3分間』に参加させていただきます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!乗客たちはいつまでも墜ち続ける。
ループで得た知識を使って、これから起こる事件を回避するのがループものの醍醐味。しかし、その知識を使いようもない状況でループが起きたらどうなるのか。本作はそんな極限状況を描いた作品だ。
何せ舞台は墜落3分前の飛行機の中。乗客はもちろん機長にすらどうすることもできない。そして乗客全員が記憶を持ちこしており、この地獄を共有している。最初の方はそれこそ阿鼻叫喚だったのだろうが、本作で描かれるのは何度もループを繰り返した末の、すっかり諦めで支配された機内の中だ。既に運命に抗おうとはせず、音楽を聴く者、愛を交わそうとする者、本を読む者など、人それぞれ。
この3分間で大きな事件は起こるわけではなく、淡…続きを読む