船を運ぶは人魚の慟哭

温暖化による海面上昇に次ぐ氷河期と、脊椎生物の異常変異によって、世界は滅亡まで秒読みになった。

俺が乗る氷海探掘船モカ・ディック号は人類の先遣隊だ。
真っ白な氷海から、淡水が流れていた箇所を見つけ出し、コロニーを建てられる場所を探す。

雑多な船員たちをまとめるのは、氷の魔女のような女船長。そして、船の動かすための炉心は人魚だ。


イベント「人類滅亡小説フェスタ」に参加します。氷河期人魚虐待フリーズパンクSFホラー。規定により二万字以下で終わる中編です。
怖い女と海の男が好き。ちょっとブロマンスかもしれない。
メルヴィルの白鯨×スノーピアサーです。


イシュー:厭世家で無関心な観測士。イシューは問題児の意でつけられた渾名。
クイグリー:元海軍兵の実直な航海士。周囲に蔑まれながら永久機関…続きを読む