概要
天の虫だ何ぞと書くが、実際哀れな生き物だよ、蚕ってのは
学者さん、あんたお若いのになんだって、こんな話なんか聞きたがる? まぁ、うちの村は養蚕が盛んだったからねぇ。つまらんだろうが、俺でよけりゃ話しましょう。蚕と、うちで採れる絹糸の話を。
板野かもさん主催の匿名短編コンテスト・食編
(https://kakuyomu.jp/works/1177354054888663805)
で一位いただいたものを少々改稿したものです。ありがとうございました
板野かもさん主催の匿名短編コンテスト・食編
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で一位いただいたものを少々改稿したものです。ありがとうございました
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!カクヨムホラーのベスト集には必ず入れる作品
恐ろしいまでの独白の表現力!完全なる1人のセリフだけで最後まで完璧なホラーを表現しきっていることに驚嘆する。ナレーションも説明も無し。
養蚕業の経営者が、訪ねてきた学者に家の歴史を語って聞かせる話だが、その語り口調のリアリティと言ったら、本当にこうやって喋る叔父さんがどっかにいるのではないかと思わせられる。
小説における様々な文章形式に当てはめると、これは対話体でありながら独白体に近い形式となっている。語り部の形式を損なわず、徐々に背筋の凍るようなホラーが忍び寄ってくる世界観を作り出せるのは、カクヨムでも唯一無二の存在であろう。
私は以前、たまたまこの作者の小説を見かけてレビューを書いた…続きを読む