ルール・オブ・“ロザリー”

ここに綴られているのは〝ロザリー〟にまつわる規律や証言のみ。それらの断片から導く全容は、読み手の解釈次第で姿を変えることでしょう。まさに彼女のように。

衝撃でした。あっという間にのめり込み、終わらないでほしいと思いながらスクロールしてしまう、恐ろしくも楽しい読書体験をさせていただきました。ロザリーとは何者か？　その答えが作中で語られることはありませんでしたが、憐れみを抱いてしまった私もまた、ロザリーに惑わされたひとりであるのかもしれません。一貫して得体が知れないのが好きでした。

カクヨムの中で、これと似た形の作品を探す事はとても難しい。

ある意味、流行りの『ライトノベル』とは対極に位置する。
ラノベの多くは主人公の一人称で語られる為、全てがハッキリ明確である。
言い換えれば、想像の余地は殆どない。

しかし、この作品は違う。
肝心のロザリーに関しての、資料しかない。
なので、恐ろしく想像を掻き立てられる。

こんな作品がカクヨムで読めるとは。
嬉しすぎる。
他人にも是非にとオススメしたい。
恐らく賛否は分かれるが。

　とある少女”ロザリー”に纏わるルールと資料。

　いわゆる一般的な、台詞と地の文で展開する小説とは異なり、断片的な記録や資料を読むことで何が起きたかや背景を推測するタイプです。
　あらすじにてＳＣＰ系にも言及されていますが、似たようなものかもしれません。
　カクヨムではほぼ初めて出会ったので、まさに「見つけた！」という感じでした。僥倖。

　正直、私のレビューなど素通りしてこの『資料』を読んでほしい。
　彼女に纏わるルールと、いささか怪しげな廃刊したオカルト雑誌（らしきもの）から始まる資料は、あなたの好奇心を充分に刺激してくれるだろう。

　しかし何が起きたのか想起できるような内容がもうひ…続きを読む