概要
家族より、恋人より、共犯者の繋がりの方がずっと強い気がする。
ある日ゾンビが現れて、パンデミックが起こったけれど、世界は終わってくれなかった。
連綿と続く日常の中、母親がゾンビになっても泣かなかった高校生の「僕」は、罪滅ぼしに「僕」と十歳しか変わらない母の再婚相手の男・奥多と共に、母のある夢を叶える計画した。
昨年2018年11月の文学フリマで、サークル文藝同人澁谷川に寄稿したものです。
ゾンビだけどグロくも怖くもないと思います。擬似父子の話。
連綿と続く日常の中、母親がゾンビになっても泣かなかった高校生の「僕」は、罪滅ぼしに「僕」と十歳しか変わらない母の再婚相手の男・奥多と共に、母のある夢を叶える計画した。
昨年2018年11月の文学フリマで、サークル文藝同人澁谷川に寄稿したものです。
ゾンビだけどグロくも怖くもないと思います。擬似父子の話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!風呂場で生まれて海で死ぬ
浴槽で胎児のように体を折り、死出の度には仮初めのウェディング・ドレスを纏う。
生き死にのあわいにあるゾンビがそれらをするということは、筆者の「ゾンビ観」(そんなのものある?)を表していると共に、構図の妙をも産み出している。
この話には、周りの大人が主人公の抱える諸問題にコミットしたり、反対に主人公が周囲の大人の心のくびきを溶かしたり、そういった劇的な展開は特にない。
ただ他人のような距離感があり、他人事のような会話があり、誰かのために開けられたスペースがある。
だからこそ最後の奥多の行為が、奇妙な素晴らしさを持って読者の心を揺さぶってくるのだと思う。
人間はゾンビではない。
死んだように生…続きを読む