概要
家族が壊れる日、少女は夕暮れになると人柱でいっぱいになる橋へ向かう
大学の文化祭で配布する部誌に掲載したやつです。お題は「夕暮れ」でした。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ぞくりとして けれど 物悲しい
昔は黄昏時のことを誰そ彼時といったそうでございます。
顔に影が差して、道ですれ違う相手の素性すら分からなくなる。なにか異なるものが紛れていても、分からない。だから声をかけて、相手を確かめなければいけない。そんなふうに現と幽の境界が曖昧になる時間帯の、橋を舞台にした小説です。
橋に現れる異形の亡霊は姿かたちこそ恐ろしいですが、決して怖いだけではなく、胸が締めつけられるほどに物悲しい。
たんたんと語られる橋の真実。歴史。少女の家庭事情が絡みあって、ぐっと惹きこまれます。
こちらの小説を読んでいると、ふと窓から吹きこんでくる風のにおいが変わるような、不思議な感覚があります。異界をのぞいているよ…続きを読む