概要
雪と火山と狂信に閉ざされた集落の、その下で胎動する破滅への物語
火山に取り囲まれながら、常に真冬のように凍り付いた、誰も立ち入らない集落。そこを支配するのは飢えと疫病、密告と生贄で成り立つカルト教団。
妹を処刑された女は密告者へと変わる。
十年ぶりに集落に戻った観測者は過激で狂信的な男と出会う。
地脈が見える少年は預言者と呼ばれ生贄になるところを救われる。
読み方は「ひょうり」でも「こおり」でもいいです。
妹を処刑された女は密告者へと変わる。
十年ぶりに集落に戻った観測者は過激で狂信的な男と出会う。
地脈が見える少年は預言者と呼ばれ生贄になるところを救われる。
読み方は「ひょうり」でも「こおり」でもいいです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その集落の神は《異端者》を許さない
極寒の雪と灼熱の火山に取りかこまれた集落には、土着の宗教があった。閉塞された地域の連帯を維持するべく、異端を排斥する意識を強めた教理は、集落に生まれ育った者を互いに喰いあわせる。神は異端を許さない。教団員は密告により昇進する。身を潜める異端者は他者を教団に売ることで生き延びる。集落は、異端を許さない…。
孤絶した空間における集団意識の暴走と崩壊を書ききった、読みごたえのある硬派な群像劇だと思いました。それぞれの人物の思惑や時間軸が絡みあう、終盤はまさに圧巻です。
そうして筋書と構成の巧みさはさることながら、なにげない描写がほんとうに素晴らしい。この雪と火山と宗教を題材にした小説だからこそ使…続きを読む