辺境伯の妻を選ぶために開かれたパーティー。そこに集まりしは才色兼備の9人の令嬢。そして今宵参加者に与えられる試練、それは――最後の一人になるまで生き残ること……!
というわけで狂気の辺境伯によって開催される狂乱の宴。参加者はどうも悪役令嬢っぽい人ばかりで、メインヒロインらしき人が見当たらないですね……。彼女らの命を狙うのは容赦なく作動するトラップ! 不気味な怪人たち! 麻薬が生んだ生ける屍! そして他の悪役令嬢!!
皆悪役令嬢といっても、自分だけは生き残ろうとする者、周りと協力しようとする者、積極的に殺し合おうとする者、容赦なく頭を吹き飛ばされる者とその対応は千差万別。
窮地の時に信じられるものを持ち込んで良いと言われて日本刀を持ってくる武闘派令嬢から、従者はものであると言い張って自分の執事を同伴させるとんちの効いた令嬢など、実に多彩なメンツが揃う中で生き残るのは誰なのか?
作者がB級ホラーを意識しているらしく、細かいところでオマージュを捧げつつサクサク令嬢が死んで物語が非常にテンポよく進むのも良い。
悪役令嬢好きだけではなく、ホラーやデスゲーム系が好きな人は是非。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)