春葉節

　ヨコハマ港に一隻の大型クルーザーが係留されている。ヨコハマニュータウンの経済中核となっている船舶カジノは今夜も盛況らしい。カジノ常連客である声楽家の御子柴梢江と精神科医である九…

名著「六韜」など、後代になっても親しまれる軍書をしたためたとされ、太公望の名で知られる伝説の軍師、呂尚。 彼を姜子牙とし、魔獣や仙術、宝具や妖怪の類と共に描いた痛快絵巻として今…

文章を考える第７回の講座。気軽に、気楽に学べるきっかけづくりになれば良いと思います。

2023年８月21日、日間ランキング１位獲得。2024年11月6日、3万PVを獲得。長く読まれ続けるには理由があります！ カクヨムの基礎知識を交えつつカクヨムで書籍化される作品を…

　人々が言う黄金の世紀だとしても、この“街”は何も変わらずただ煤けた暗い黄昏の街だった。 　この“街”に名前はない。あったとしても忘れられただ、“街”とだけ呼ばれる鉄と蒸気の街。…

この世界には九つの世界があるらしい。 そして、その一つで魔王が生まれた。 最も美しく、最強にして、最上にして、最悪の魔王は、世界の一つを滅ぼした。 世界の神々は対抗した。けれど、…

『中学卒業してもまた遊ぼうな』 彼の真摯な言葉は、この世に放たれた時点で杞憂を孕んでいたのかもしれない。 これは、筆者の常陸乃が経験した、 ちょっとだけゾッとした話である。

殺人事件が起こった、心理的瑕疵物件で暮らす女の話。 女は昔から見えない体質なので、地縛霊のハンガーストライキなんて歯牙にもかけず、価格推移の恩恵を受け続けている。 ――はずだった…

メロンサイダーを飲んでいたはずなんだけど、真っ白でよくわかんない。翠じゃなかった？　連絡帳もあさがおもパパもママもまっしろだよ、でも、あやかだけが僕を元気付けてくれる。顎股ぺろぺ…

私は、長年計画していた海外旅行を実行する。いきなり進路変更となったモスクワで、ロシア人から小鳥のフィギュアをもらう。やがてフィギュアは本物の小鳥となり、私は人間を襲う妖怪の存在を…

体内に移植される極小知性(マイクロインテリ)に、人生の選択のすべてを委ねた社会。 柊野学(ひらぎのがく)は何の疑問も持たず、五年に一度アップデートされるインテリの導きに従って人生…

　妖怪怪異譚を題材にした掌編短編小説集です。コンセプトは「ゾッとするほど美しい物語」となっています。それぞれは独立していますが、様々な味わいのある作品群となっていると思います。 …

全世界に普及した生活支援AI。La'd。 その開発元のナルシストなCEO、ジェイムス・ノーマンは、La'dの拡張機能のテスト運用をしていた。 拡張機能は、未来予測機能。 い…

由緒ただしい意地悪な魔女の孫娘・モモは、絵本や児童文学に登場する正統派の魔女として活躍することを期待されている。 しかしモモは現実世界で絶賛放送されている魔法少女番組「キューティ…

１３歳になったばかりの月海は、パンのお届けを頼まれる。着いた先は……魔法にあふれる魔界だった！ こちらの世界の常識がまったく通じない異世界で、月海は実のおばあちゃんに会う。魔女の…

あらすじ＞ 地球をあとにした巨大な宇宙移民船では、人類たちがコールドスリープにつこうとしていた。 生体アンドロイドの『ロイド』はそんな人類の代わりにたった一人で起きて船とコールド…

　毒の霧を吸い込むと死ぬ。文明の失われた未来で生きる人間は、霧の入り込まないシェルターで暮らす。 　ロウは絵描きだ。昔の写真を模写して仲介屋のダグに金にしてもらい、ひとりで生活し…

極限状態に陥った姉妹の話です。 pixivに二次創作として出したものです。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18903602

笑わない僕といたずら好きな彼の話です。 以前pixivに投稿したものを手直ししてます。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7961…

遠い未来、すでにありとあらゆるSFは書き尽くされた。 作家が何を書いても、既に同じ発想で往年の文豪たちが傑作を書き上げている。 そんな20020年の世界で作家を目指す彼の苦闘を…

　遠い宇宙から樹木型宇宙船に乗ってやってきた、ハイエルフ。 　彼女らは打ち捨てられたはずの惑星で謎の発光現象を発見し、地表への着陸を敢行する。 　そこで彼女らがみたものは―― …

バイオリニストの父と、作曲家の母に愛され、プラハで平和に暮らしていたセルビア人少年、コヴァーチ。 弟一家を助けたいと言い出した父について、コソボ紛争が停戦中の祖国セルビアへ向かう…

ドーム都市に住む少年トウジは思い出していた。彼が崇拝したルイを。ルイは頭がよく人を統率するのに優れ、トウジはそれに従って生きていた。しかしそれは思い出に過ぎない。現在の彼は、ドー…

人材、経験、価値の喪失を防ぐための循環システム「RLC」によって、人類は物理的な死を乗り越えた。 あらゆる経験、感情、行為が尊重される社会。 それを推進する大都市に、ある田舎者…

不思議な砂時計を手に入れた「僕」の話です。 pixivにも同じものを投稿しています。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12296…

　西暦二〇三七年。かつて夢物語だった生命維持睡眠技術――俗に言う「冷凍睡眠」が現実のものとなり、関連ビジネスは日本国内においても着実に普及しつつあった。だが、「冷凍睡眠」の認可に…

コーヒーを毎日飲んでからではないと1日を始められない男は、ある日家にコーヒー豆が無いことに気づき─── コーヒーに纏わる奇妙な短編です。

　科学革命を経て人類の社会構造は二極化した。 　ＢＷと呼ばれる支配階級が排出するゴミはAWと呼ばれる埋め立て地へと流される。 　ＢＷで不要とされた人間もまた人権を剥奪された上でA…

　輓近、プロの小説家の語彙の尠さに喫驚した愚生は、日本語の復興の一助にでもなれば、と覬覦し、広辞苑を三回ほど劉覧し、記録しておいた語彙ノートの（ごく）一部を公開することといたしま…

「クトゥルフ神話って何？ よく聞くし盛り上がってるところは見るけど」 「興味は有るけど、何処から入れば良いか分からないし……」　 「(」・ω・)」うー！(／・ω・)／にゃー！　…

カクヨムWeb小説短編賞2020短編特別賞

惑星探査隊に参加した「私と妻」は、ある星に調査に降り立った。沙漠と化した灼熱の大地で、「私たち」は奇妙な遺物らしきものと出会った。 その夜、私は夢を見た。なにかがやって来る夢を。…

軌道エレベーター建設計画。 人類の発展、進歩のためのシンボルとして存在する文明産物。 その計画が遂行された後の世界。 現行のどの兵器群をも圧倒する世界最強の兵器《エインヘリアル》…

エープリルフールに、高性能AIを搭載したロボットが放った言葉。 「人類の歴史を終了します。抵抗は無意味です！」 そのとおりに、人類は計画的に機能停止に陥っていく……

　――少女は人々の想いをのせて、「ソラ」を目指した。 　どこか遥か遠くにとある星が存在していた。その星では身分と階層が区別されており、身分の高い者は地上に住み、低い者は地下に…

赤の時代５部作１作目のプロット。赤の時代とは、押しつけの時代です。この小説は一人で行動することにまつわる、様々な押しつけを、実体験をもとに書き下ろしたものです。

地球の周りをクジラが泳いでいる──その様子を宇宙船から見つめるノームへ一通のメールが届く。息の詰まる家から逃れるようにして宇宙へ出てきたノームには差出人に心当たりがあった。だが、…

　彼女は言った「空」が見たいと――だから僕はシェルターから脱出することにした。 　安全が保障されたシェルターから「逃げる」逃走劇。 　そして知る、シェルターの真の意味を。 　全3…

迅凶一は学生で電脳探偵を営む少年、何はなくとも荒んだ時代にトラブルは有り、頼まれなくても依頼は来る。 近未来の東京を疾駆する。 ハーメルンにも投稿中です。

　ぐぢゃり。 僕は握った肉塊を、両手で二つにねじ切った。命っていうのは、煮込んだ茄子みたいに柔らかい。あるいはひょっとすると、僕自身の生命だって。

自分が死んだ後も世界が続いていくのが嫌だから、世界を滅ぼす方法を考える博士。 その手伝いをする、自分の死ぬ理由は自分の意志しか有得ないと思っている助手。 2人の日常は続いていく。

まず初めに、杉並三駅付近の在住の皆様ごめんなさい。 あと三駅の一つ阿佐ヶ谷駅は今年で開業100周年だそうです。おめでとうございます。

扉の向こうで、「私」は彼女に出会った。 これは、たった二週間の物語。

第三次世界大戦が終結した後の世界。人類は地球を捨て、宇宙という仄暗い新天地へ飛び立った。 そして、退役したAIたちや役割から解放された有象無象たちは、地べたに取り残された。 この…

戦闘用バイオロイドとして生まれた【クローラー】には、あらかじめ感情がプログラムされている。だが、C-52。チャーリーと呼ばれた個体はそれが理解できない。 人間に一番近い、人間でな…

平凡な人生を過ごしていた加藤啓司は、ある夜突然、神による異能ガチャをひき、その結果レアリティUR（ウルトラレア）の異能を手に入れる。しかし、手に入れた異能【粒あんエクスチェンジ】…

夏休み明け、イケてないグループ仲間のドルヲタ、ヒロトが急にチャラくなって帰って来た。そればかりか成績も上がり、付き合いも心なしか悪くなったような……。 一ヶ月半の間にヒロトに一体…

悪夢に見る、近未来の廃墟になった渋谷での市街戦。 第一一一小隊の歩兵となった『俺』は土砂降りの渋谷で応援を待っていた。 やがて味方の偵察砲弾が周囲の敵配置を明らかにし、小隊は進軍…

地球の騒々しさに耐えきれなくなった僕は、火星のテラフォーミング計画の一環である、火星へのテスト移住をすることになる。 「火星には付いていけない」と彼女にフラれるも、火星での有意義…

試験運用が始まった人工知能ボイスチャットサービスＴａｌｋ‐ＡＩ。 しかし開発が間に合わず、コールセンターで働く派遣社員５人が人工知能の代わりをすることに。 人工知能キャラを演じる…