人は、美しいものを見ると、その美をどうにかして留めておきたくなる性を持っております。蝶の標本などがその最たる例でしょう。ここに並べられた美しい言葉たちにも、それと似た趣があります。しかるに、これらの言葉たちは昆虫標本のように死んではおらず、我々の手によって活かされるべき生命を持っております。言葉を美しいと思うとき、我々に去来する感情の、なんと活き活きとしていることでしょう。