Rさんは最近カメラを買った。SNSに投稿するのに便利が良いという理由だ。スマホ自体にもカメラは付いているが、なんだかんだ専用機の方が綺麗に撮れるのだそうだ。
そのカメラで絶景や美味しい料理を撮影していた。基本的に綺麗な写真が撮れたし、SNSにアップロードするには十分な絵面になった。
ある日、大きな稲荷神社に行くことにした。その神社では大きな鳥居が建てられていることで有名で、日本でも有数の大きさを誇る観光地だった。
その鳥居をカメラに収めておきたいと、早速カメラを持って電車に乗った。電車から降りて、早速大きな鳥居が見えた。かなり遠くからでも見えるほどの大きさで有名なだけのことはある。
早速その鳥居の写真を撮影した。これはSNSにアップロードすればウケがいいだろうと思った。
そのあと本殿にも行き、一通りの写真を撮影した。帰ったらそれを加工してアップするだけだと期待しながら帰った。
家に付くと早速写真をレタッチソフトに読み込ませた。すると神社で撮った全ての写真に小さなキツネが写り込んでいた。もちろんここらに野生のキツネなどいないし、当然ツルツルのコンクリートで出来た鳥居に登れるはずもないのだが、写真には鳥居の上から見下ろすキツネが写っている。
他の写真にも探せば見つかる程度なのだがキツネが映り込んでいる。それを見て神社など気休めだと思っていた彼女は考えを改め、神域では写真を撮らないように気をつけているそうだ。