「駅舎」を含む小説

都会の生活に疲れ果てた宇津保聰は、リフレッシュするため故郷へと戻る。しかし、彼を待っていたのは、どこか見慣れない故郷の姿だった。 違和感は、日常の些細な場面に潜んでいる。父のス…

　目が覚めた私はモノが浮かぶ空にいた。私を起こしてくれたのは同じ“実体女子高生”であるナツ。駅舎のような場所は何かに切り取られたようになっていた。色褪せた空き缶が一つ空へと落ちて…

以前ネット上の知り合いと「田舎の幼馴染が人外で、自分だけがそれを知らなかったって設定の作品が読んでみたいね」みたいな会話があったので、自分も読んでみたかったので書きました。 〈…

――部屋に帰って来ない恋人を待つのは、もう疲れた。 私はトランクに荷物を詰め込み、駅へと向かう。 古びた駅の待合室。ベンチの上に、眼鏡がぽつんと置かれていた。 誰かの忘れ物だろう…

視力が悪くて眼鏡は欠かせません。だから僕は常日頃から薄いレンズを通して世界を見ています。ゴミゴミした、ギラギラした、猥雑で爛れた世界のなかで毎日を生きています。 残業続きで草臥れ…

廃線となった田舎町の駅は、その役目を終えて取り壊しの危機にあった。 駅舎だけでも何とか残してほしいと、都会から青年が招かれ、喫茶店をはじめる。 しかし始めた『廃線カフェ』は閑古鳥…

冬。 孤独が支配する冬の夜。 そんな中、駅のプラットホームには今日も一人のサラリーマンが居る。寂しさに負けず、ただ一人、終点を待ち続ける。

　はじめてあった日に、しかめっ面なままの、四角い顔で言った言葉を覚えている。よしの先生はそう言ってから、ほンの少し目を伏せた。僕が何でもないような感じで、何て言われたンです、とだ…

津軽へ旅行したときのエッセイです。

大分昔に廃線となった駅舎を守っている者がいる。 地図にも載っていない、 ましてや廃線となった駅舎を何故守り続けるのか。 何故その駅舎は存在し続けるのか。 そしてなぜ人々はその…

現世町（うつしよちょう）は人口減少により空き家だらけの町へと化していた。小学校は来年には廃校になることが決まっており、近いうちに緑市（みどりし）と合併することが決定していた。 何…

　雪が降り、そして止み、また降り、風に流され、そして、また、止む。 　その宿は特急停車駅から送迎バスで一時間半ほど、ネット上では温泉と山菜が客人を迎える宿、という惹句で紹介されて…

旅先の駅で電車を待つ私の前に現れたのは、おかしな風体の本屋だった。

山あいのひなびた町にひっそり閑とたたずむ、ささやかな駅舎。 そこに勤務する若い駅員が、最終列車を見送り、最後の業務として、ホームを巡回する。 はたして、そこで見たモノとは………

気が付けばあたしは蝶を追いかけて歩いていた 今まで見た事のない、青くて綺麗なその蝶は まっすぐにあたしを導いた 田舎の駅舎 真っ黒な列車 見知らぬ乗客たち …

海辺の小さな町に暮らす高校生・小暮真凛は、いつものように駅舎で電車を待っていると、突如いかつい雰囲気の少年が現れた。少年は駅舎の壁に自作の短歌を貼りつけると、その意味を教えると言…

桜が咲く田舎の駅舎を舞台にした、とある少年少女の出会いと別れの物語。 曰くつきの桜にまつわる謎に触れていく、ちょっと不思議なヒューマンラブミステリー。 （※人間ドラマ、いいお話、…

とある日。俺が大学へと向かっている途中で講義が休講になった。 既に大学近くまで来ており。このまま帰るのも……ということで俺はその時乗っていた電車の終点まで行ってみることにしたのだ…

　都内某所の駅舎の上、今日もあくせく動く人間の頭を見つめながらカラス先輩とハトはあくびをする。 　カラス先輩がゴミをあされば、ハトがつつく。絶妙なコンビネーションを見せる二羽に向…