「西洋人形」を含む小説

女は母親を待っているという。

高校に入学してからというもの、シオリは図書室に入り浸っていた。 だから、居合わせてしまったのは必然で、巻き込まれてしまったのは好奇心とちょっとした善意。 図書室の奥まった場所で…

結婚を目前に控えた康太は、幼い頃から大切にしてきた西洋人形のプーペちゃんとお別れしようとしていた。 だが、決心できずにいると、彼の前にプーペちゃんそっくりの女性が突然現れた……。

　薄桜色をしたストレートロング。 　華奢な体躯と整いすぎた顔立ちは西洋人形を彷彿させた女子高生・杵島　桜華（きしま　おうか）。 　彼女は見た目とは違って、変わった本の趣味をしてい…

　──それは呪いの人形だった。 　学校前のゴミ捨て場にポツンと置かれた西洋人形。 　それを、県内でも有名な不良少年の一護と力漢が、遊び半分で触ってしまう。 　その日から、…

田舎町で暮らす女子高校生の牧野ヒロはある種のコンプレックスを抱えていた。自身の外見と生い立ちと、そして猫が嫌いなこと。 ある日の下校中、彼女はとある喫茶店を見つける。野暮な田舎町…

ヤバい仕事に付き合わされ、山の中で穴を掘っていた男の目に、一体の西洋人形が止まる。 何故こんな山中に人形が？　誰がわざわざ人形をこんな場所まで持ってくるのか？　捨てたのか？　その…

　王太子マリオンは恋人ロザリンを傍らに卒業パーティの場で婚約者である公爵令嬢フランシアに婚約破棄を言い渡す。 　公爵の後妻イザベルが公爵家を乗っ取り、その連れ子ロザリンがマリオ…

連載中の『半宵の怪談集』の六段目『蒐集する男と人形』 の前後の断片話です。

　──ふと気がつけば『私』は、記憶喪失となっていた。 　失ってしまった過去の手がかりは、夢で見た『月の妖精』のごとく美しき少女だけであるが、その可憐な唇は何も語らず、ただ私をあざ…

とあるアンティーク店に、一つのフランス人形がありました。

　平凡な女子高生である私こと杏(あん)は、学校の帰り道にふと立ち寄った雑貨屋で、西洋人形を見つける。欲しいなんてこれっぽっちも思っていなかったのに、店主らしきフードの人物に無理や…

〔人物〕 大和田　一也（ｵｵﾜﾀﾞ　ｶｽﾞﾔ） 『さて、私の可愛いお嬢さん。彼の身体的特徴、すなわち見ることでしかわからない特徴を、私に教えてくれるかな？』 長い金髪をゆった…