「群衆」を含む小説

自然のちから

東京の八王子に佇む、お世辞でも綺麗とはいい難い外見の探偵事務所、【恐神探偵事務所】。因みに事故物件である。そのためこの探偵事務所の存在を知った近隣に住む専業主婦達は、暇を持て余す…

「僕の遺影を描いてください」 　意を決して頼んだ相手は、全色盲の画家・榊だった。 　色は一切見えていないし、着ている服は黒いものばかり。そんな榊の描く絵は、しかし息を呑むほ…

それはこの国を悩ませていた魔物を倒した勇者たちへの凱旋パレードの最中に起こった。 群衆の中で感謝の花びらを投げていると後ろから痴漢に胸を掴まれ、とっさに撃退した。 するとちょうど…

　元ドグミス警備中隊長 三枝啓一１等陸尉、彼は新国連軍から離反し、日本隊１００名を率いて、島民が立てこもる旧ドグミス基地へと再上陸を決行する。その三枝家の次男、龍二は、同じ頃、…

偶然行動を共にすることになったメンバーは、旅を進めるうちにある組織と対立する。 組織の目的を探っていくと、絶滅した妖精の意思、行方不明になった国王と国の真実に直面した。 衝突しな…

　純粋無垢なる都市住民たちは、審問官が近づくとその場を素早く譲る。彼らは遠巻きに審問官たちの姿を見ながら、ひそひそと噂話をする。 　黒い外套、帯剣、そしてなによりも特徴的な金糸細…

　妙に荒れた広場に集う、旅装の群衆。 　しかし、まだ準備が整っていないらしい。 　時間潰しのため、引率の男は怖い話をはじめる事にした…… 　本作は、私の書いたご当地怪談自主企…

アンドロイドである「人架」が普及していた人類だが、その繁栄の岐路にて文明が著しく後退する事故に見舞われる。時代は敗退し、混乱に乗じるように人架の廃棄や機能単純化を謳う人々のデモ…

新曲が出る度に全米ビルボードチャートの一位を独走し、街を歩くと狂信者《ファン》がダース単位で襲いに来る太陽系レベルの超絶人気歌姫イゾルデ・ブラックハンド。 そんな彼女がデスゲー…

会津松平家は、戦乱の世がおわり泰平の世に使命をもってつくられた家中だった。 武田、最上、蒲生、蘆名などの遺臣を集め、勇武と奨学の気風はとだえることなく脈々と受け継がれる。 19世…

オリアナ・クラレントは顔に傷があった。その傷ゆえに婚約者から疎まれ、悪役令嬢に仕立てあげられた。 そうして処刑されることになったオリアナは広場の処刑台に登る。 誇り高きオリアナ…

　<表紙絵(作者の近況ノートへ飛びます> https://kakuyomu.jp/users/redo/news/16817330655885662816 　この世界には光がな…

5分間のミステリ

「エルト、この犯罪者め！　貴様をパーティから追放し、その身柄を斬首とする！」 　勇者パーティの魔術師エルト。 　彼は勇者カインにより無実の罪を着せられ、勇者パーティからの追放―…

老婆が数人の男性によって、車へ担ぎ込まれている。何事かと集まる群衆にへこへこと頭を下げているのは、老婆の息子であった。車、もとい大きなバンには、介護施設の文字がプリントされていた。

日本で先行発売された、最新VRゲーム〈Inside Alive Quest〉。 まるでそこにいるかのように、オープンワールドを自由に旅することの出来る、没入型ゲームだ。 神風勇…

音もなく近寄られ、脇腹が焼けた。黒いフードを被った人物は、ぱっと手を離した。一瞬にしてまどろみ、祇園囃子の鐘の音がぬるりと耳に滑り込んでくる。右に逃げたが、いや、左か。山鉾やまぼ…