生存隊員達の表情に絶望はなく、未だ闘志をもって瞳の奥を輝かせる
元ドグミス警備中隊長 三枝啓一1等陸尉、彼は新国連軍から離反し、日本隊100名を率いて、島民が立てこもる旧ドグミス基地へと再上陸を決行する。その三枝家の次男、龍二は、同じ頃、高校サッカー日本一を決する北勢高校キャプテンとして、新国立競技場にあったが、その状況を群衆は許さなかった。
観客は、独断を強行した兄啓一に対する批判の矛先を、弟の龍二へ向ける。
全国中継される試合が進む中、罵声が飛び交うコートにあって、相手高校のキャプテン城島は、この理不尽な大人たちの罵声に憤慨し、試合のボイコットと言う強硬手段により、全ての大人たちに反旗を翻す。
人類が3回目の世界大戦を終えて仮初の平和を謳歌する時代、その強烈な破壊を目の当たりにした人類は、戦後、武器を持つこと自体をタブーとし、また武器を持つものを蔑むことで自分たちの平和主義を誇らしげに掲げる、そんな時代。
剣術の家元に数えられる名門「三枝家」の3人兄弟たちは、この事件をきっかけに、それぞれの戦いを駆け抜けることを運命付けられてゆく。
こうして彼らの決戦の夜は、それぞれ静かに明けてゆく。