「平家物語」を含む小説

歴史に偉大な足跡を残した者は、転生に時間がかかる。……その魂は良くも悪くも「並」からは外れているのだから。 王子の亡命を手伝っていた船乗りズィルバーは、あるきっかけで自身の「前…

平清盛の末弟、忠度（ただのり）。熊野水軍を率い、海賊退治に名を馳せた勇将でありながら、一方では和歌の達人。 平家滅亡とともに散った武人の愛したものは……。 ・前編は能楽「熊野」…

京都府、雨の鞍馬山の中、一人の少女が迷っている。 その目の前に現われたのは、黒のセーラー服。 セーラー服･･･セーラー服！？ 鵺の影を追う少女と 白髪天狗を追う少女。 因果…

比叡山の学僧、武蔵坊弁慶は、九郎こと源義経の執事になった。傍若無人な九郎と、奥州平泉の姫、閑（しずか）に翻弄されながら、源平合戦のただ中へ飛び込んでいく。 木曾義仲との戦い、平家…

　最愛の姉の命を理不尽に奪われ、以降死んだように生きていたタケルのもとに、世界を管理する神が現れ「君の命を有効活用させてほしい」と告げた。 　特に生きる意味も未練もない彼の望みは…

九州地方には河童伝説があちこちに蔓延っている。 そんな河童たちをまとめる総帥、海御前（あまごぜ）という妖怪が北九州市門司区に棲まうという―― 都心から離れた場所にひっそりと店…

平宗盛は、スター揃いの平家で、どうしようもないくらいに普通だ。子煩悩で、臆病で、横柄でわがままなところもある、普通のオジサンだ。 そんな普通な男の視点から、平家物語や、その他の平…

1185年、讃岐国（現代の香川県）屋島。有名な那須与一の扇の的当ての本物を見物しようと、900年のちの日本からタイムマシンでやって来た岬と浩は、あろうことか与一とニアミス事故を起…

　平家物語を新しい解釈で書いた、連作短編形式です。

　巴御前は目を閉じながら、義経に話していた。義仲と植えた半尺（15センチ）の苗木の誓いの話を。 注意 　この話は平家物語を元にしたオリジナル短編になります。 　平家物語とは多少…

仁平三(1153)年、近衛帝の御代のこと、帝や貴族たちは夜ごと大声で啼く「鵺(ぬえ)」の存在に苦しみ、ついには病に倒れた。何かと腰の重い朝廷も、事ここに至ってようやく鵺退治に乗り…

昔々に存在した国「イグリース王国」、その戦記が「イグリース王国物語」である。 今回はその中でも「キルスの最期」と言われる章と関連の文を抜粋してみる。 ※これは平家物語より木曾…

　さてこれより語りますのは源頼政による鵺退治の一席。 　おおむね史実とされている史料に準拠して語るつもりではございますが、なによりフィクションですからときおりあらぬ方向に脱線する…

平清盛の娘にして、安徳天皇の母であった徳子。 壇ノ浦の戦で母や我が子と共に入水したものの、憎き源氏の手により彼女は独り命を救われる。 俗世を捨て、一門の菩提を弔いながら、彼女は一…

永万元(1165)年の夏、平家の邸に黒き羽をもつ芥虫（あくたむし）にわかに発生。清盛はじめ平家一門は、思い思いにこの小さな敵を対峙することになったが……