概要
死にたがりの男の軌跡にして、後の世で語られる英雄譚
最愛の姉の命を理不尽に奪われ、以降死んだように生きていたタケルのもとに、世界を管理する神が現れ「君の命を有効活用させてほしい」と告げた。
特に生きる意味も未練もない彼の望みは死ぬことだ。
楽に死ねるならと彼が神に連れられて向かった先は、自らを神と名乗る巨大蛇の化け物に儀式として毎年生贄を差し出す別の世界の村だった。彼はここで生贄にされ望み通り死ぬはずだったが、蛇は彼を腐り物と呼び食わず、生贄の儀式は失敗した。儀式が失敗したことで村は存亡の危機に立たされるが、村のリーダーであるクシナダは、タケルが喰われなかったことに意味があると考え、また蛇に怯え続ける生活をここで断ち切るために、蛇に挑むことを決意した。タケルの後に喰われる予定だった、同じく神に転移させられた者たちと知恵を出し合い、蛇を討
特に生きる意味も未練もない彼の望みは死ぬことだ。
楽に死ねるならと彼が神に連れられて向かった先は、自らを神と名乗る巨大蛇の化け物に儀式として毎年生贄を差し出す別の世界の村だった。彼はここで生贄にされ望み通り死ぬはずだったが、蛇は彼を腐り物と呼び食わず、生贄の儀式は失敗した。儀式が失敗したことで村は存亡の危機に立たされるが、村のリーダーであるクシナダは、タケルが喰われなかったことに意味があると考え、また蛇に怯え続ける生活をここで断ち切るために、蛇に挑むことを決意した。タケルの後に喰われる予定だった、同じく神に転移させられた者たちと知恵を出し合い、蛇を討
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!これがファンタジーだ。これこそがファンタジーだ。
「ファンタジーとは、神話や伝説を下敷きに、個人の想像で自由に創り出される物語である」
日本ファンタジーのパイオニアがこんな事を言っていた気がする。だとすればこの作品は正にその定義に当てはまるだろう。
異世界転移というありがちな設定を見事に「物語」へと繋ぎ、壮大な世界観を描く手腕は尊敬に値する。
死にたがりの青年はトリックスターそのもので、自分さえ良ければいいとか言いながら最終的に大団円をもたらすという痛快な構成となっている。これがハマらずにいられるか、いやいられない!
幼い頃に読んだ物語が違う形で蘇り、あの頃のワクワクした気持ちを取り戻せるかもしれない。
とりあえず面白いから読んでほしいな…続きを読む