第4話 決戦前夜
僕たちがいた大広間で緊急会議が開かれた。宴会の時と同じく中は松明でともされていたが、依然の浮かれたお祭り気分と違って室内の空気が非常に重く深刻だ。
中央に広げられた地図をぐるりと、村人たちが囲む。中央に座ったクシナダが、男たちの話を聞きながらそこへ印をつけていく。僕たちは部屋の隅っこに座り込んで、話を聞いていた。文句でもいわれるかと思ったが、別段誰も気にしなかった。気にする余裕がなかったのかもしれないが。
話の流れからして、男たちはクシナダの命で脱出ルートを探していたようだ。先祖がここに辿り着いたときに地図を書き残していたらしい。それをもとにして、先祖がたどったルートを逆に辿っていた。しかし、途中で問題が発生した。
「最初は、この地図の通りに川伝いに南に向かいました。ご先祖様たちの地図では、しばらく行くと大きな川と合流するとあり、それを見つけてから戻ろうと思ったのですが」
行けども行けども合流できない。おかしいと思いながらも進んで、一人が確信を持った。
「たまたま、服の袖を枝にひっかけたんです。引っ張ってもなかなかとれねえし、これも結構ぼろだったんで糸を歯で噛みきりやした。その場はそれで終わりだったんだ。けど、そこから歩いているうちに、さっき自分で破った布きれをみつけちまったんでさ」
男は少し震える指で地図上を指差した。クシナダがそこへ人の万年筆を使って丸を書きいれた。
「便利ね。ちょっと貸して」
こいつはついさっきまで人のことを蛇の餌にしようとしてなかったか? 何事もなかったかのように気安く話しかけてきて、持って行ったのだ。限りあるインクを気安く使ってくれる。
「その後も俺たちはいろんな方向へ進みました。けど、どう進んでも同じ場所に戻ってきちまう」
クシナダが地図にそのポイントを書き込んでいく。完成した地図を見ると、村を囲むようにポイントが書かれていた。ある程度村から離れると、ポイントにループするようだ。
「こりゃ、神の仕業に違いねえ。俺たちを逃がさないためだ」
「良く考えてみりゃ、ご先祖様たちが逃げ出そうとしてないはずがねえんだ」
深い深いため息がそこかしこから漏れて、部屋中に充満した。諦観の混じったため息は瞬く間に空気に溶け、それを吸い込めば瞬く間に肺に満ち、無気力感となり、血管を通って全身へと広がっていく。どうする? という言葉すら出てこないようだ。
「何か、案はない?」
クシナダが声を発した。誰も答えず、彼女の視線から逃げるように顔を背けた。彼女も期待していなかったようで、悔しそうに歯噛みしながら、地図に目を移す。何かないか、わらにもすがる、そのわらすら彼女たちの前には見あたらない。
「質問してもいいですか?」
思わぬところから声が上がった。僕も含めて全員が驚いた様子でそちらを向く。手を上げていたのは桐谷だ。
「あ、その、大したことじゃないんですけど」
場の緊迫した空気と全員の視線にさらされ、緊張したのか桐谷は口ごもってしまう。
「良いわ。気にせず何でもいいから言ってみて」
クシナダが促す。おずおずと、桐谷は言った。
「あの蛇を、倒す、というのは。不可能なのでしょうか」
それは、もっとも根本的な問題の解決法だった。だが、誰も乗ってくる気配はない。馬鹿なことを、と言いたげに、ほとんどの村人は彼女の発言を無視した。
「どうしてそう思ったの?」
「いえ、その、私たちの世界に、この状況とよく似た伝説があるものですから」
彼女が話したのは、僕らの国に伝わる神話だ。勇ましい英雄神が、毎年生贄を要求し、村人を困らせている大蛇を倒す、どこの国にもよくあるようなヒロイックサーガ。日本に伝わるもっとも古い英雄譚。
「その話では、蛇に強い酒をふるまい、酔わせて、眠ったところで首を落として倒します。もしかしたら、あの蛇も」
「そうね、首を落とすことが出来たら、もしかしたら倒せるかもしれないわね」
けど、とクシナダは続けた。
「それが問題になるの。もしかしたら聞いてるかもしれないけど、神はいくら剣や槍で切っても傷がすぐ塞がってしまう。傷を一つもつけられないの。これは、ご先祖様たちの犠牲によって得た確実な情報よ」
そうですか、と消え入りそうな声で桐谷は顔を俯けた。それをきっかけに、村人たちの会合も失望と共に散会の気配を見せ始めた。一人が立ち上がり、部屋から出ると、そこから二人、三人と部屋から出ていく。残ったのは、僕たちと、クシナダだけだ。松明のはぜる音が嫌に耳につく。
「さっきの話だけど、もう一度聞かせてもらえる?」
クシナダが桐谷の前にすっと座りこんだ。
「え? でも、不可能なんじゃ」
「不可能。そうね、この村のみんなにとっては」
「あなたにとってはそうじゃないと?」
「私にとってもそうよ。神は殺せない。子どもの時に教わるのはまず神のこと。そうやってずっと植え付けられるの。神に逆らうなって。でも、あなたたちはそうじゃない。外から来たから、平気であれを倒すって言える。だから、考えられるはず。私たちには思いつけないことを、神のことを知らないあなたたちなら」
真剣を通り越して、鬼気迫るような目で彼女は僕たちを見回した。その目を見て、僕は察した。
「あなたは、戦うことを想定しているんだね?」
山里が僕と同じ考えに至っていた。クシナダが頷く。
「神は生贄を要求してきたわ。あなたたちを数に含んでもまだ四人足りない。あなたたちの世界の神が気前よくもう四人送ることがなければ、私たちの中から四人選ばなければならない」
びくりと桐谷と斑鳩が体を震わせた。
「ああ、いえ、もちろんあなた方を生贄に出すつもりはありません。約束は守ります」
あわてたようにクシナダが顔の前で手を振った。
「さておき、もしそうなれば村が分裂するのは明白よ。生贄にされる者もそうだし、今後に絶対響く。誰が次に生贄になるのか、どうすれば自分たちは生き残れるのかと疑心暗鬼になる。村は立ち行かなくなるでしょう。遅かれ早かれ、村は亡びるわ」
「どう転んでもバッドエンドしかないってことかよ」
斑鳩が小馬鹿にしたような口調で吐き捨てた。
「逃げられないと判断した場合、私は戦うことを提案します。けれど、同じ方法で戦っても勝てない」
だから情報を集める。
「今は、どんな些細な話でもいいから教えてほしい。先の物語でも、あなた方の世界の蛇の生体でも」
言いたいことはわかった。だが実際、僕たちに何ができるというのか。首を落とすと簡単に言うが、数千年経た縄文杉の幹みたいなぶっとい首をどうやって落とすというのだ。通販でチェーンソーやらダイヤモンドカッターでも取り寄せろと? しかも相手は傷つけた傍から回復していくような化け物だ。仮に半ばまで切り落としたとしても、そこから回復されては意味がない。
「切り口を変えて考えてみようか」
そういったのは山里だ。
「蛇は傷つけても回復する。ここまでは良いよね? その点だけを見れば絶対勝てなさそうだけど、考え方を変えてみると、傷をつけることは既存の武器でも可能、ということにならない?」
「つまり、回復する前に首を切断してしまう方法を考えろってことですか?」
はっとした顔で桐谷が答えた。その通り、と山里は首肯して僕のノートを取り出す。ちらと僕を見て使用許可を求めてきた。どうぞ、と肩をすくめる。
「目的はそれとしよう。まず蛇の特徴を列挙していく」
山里がすらすらと何かを書いた。蛇の直径、約四メートル、円周約一二メートル。
「目算だけどね。でも、ほぼ完ぺきだと思う。ものを作る人間は、目算で大きさを測れるものさ」
国の物づくりを支えてきた工場長は胸を張った。
「こうやって、情報をまとめて、逆算していこう。直径四メートルの肉の塊を分断するにはどうすればいい? まず見合った刃物がいる。しかも回復するとあれば、一息に一刀両断しなければならない」
「自分からそういう話をしておいてなんだけど、不可能よね。そんな大きなもの、人の手には負えない」
「人がする必要はないよ。断頭台のようなものを設置すればいいんだ。ただ、どれだけ大きいものにしたらいいか・・・」
せっかく用意しても、効果がなければ意味がない。
「切る力が蛇を輪切りにした時の断面積×強度を超えりゃいいんだよ」
意外なところから声が上がった。声の方へみんなが振り向く。斑鳩がそっぽを向いていた。
「斑鳩君、もしかして君・・・」
「言っとくけど、きちんとした数字なんて出ないからな。すげぇ適当だからな」
立ち上がらずに足と尻を尺取虫みたいにして近づいてきて、ノートとペンを奪い取った。さらさらと公式を書き始める。見てもさっぱり意味は分からないが、どうやらそのせん断力、物体を切る力を計算しているようだ。
「再生するとはいっても、そこに障害があれば再生力は低下するわけだろ? なら完全に首を切れなくても、昆虫標本のムシみたいに杭か何かで縫いとめちまえばいい。切るより突き刺す方が材料を調達するにも力をかけるにも楽だ」
斑鳩が提案したのはパイルバンカーだ。投石器のつくりを改良して、力が余計な方向に逃げないようにして直接対象に届かせるとのことだが、斑鳩の説明はところどころ公式やら専門用語がつかわれてさっぱりわからない。ただ、元工場長は驚き感心していたところを見ると効果的なのだろう。「アナゴやウナギを捌くようなものだよ」と説明され、ようやくイメージがついた。そういう魚を捌くときはまず頭に杭を刺し、動かないように固定する。
後はこれをどこに設置するかだ。猫の首に鈴をつけるのとはわけが違う。その罠を隠し、そこにおびき寄せなければならない。
「性格から、行動を推測するというのはどうでしょうか」
次に案を出したのは桐谷だった。
「見た目は蛇ですけど、中身は私たちと同じです。効率的に食料を生産し、獲物が逃げないように柵を張り、そして自分の快楽を満たすために工夫を凝らす。傲慢でプライドが高い、まるっきり人と同じです。なら、存外酒をふるまうという方法は間違っていないかもしれません」
おだてれば蛇も木に登るということか。口八丁でいい気分にさせて罠へ誘い込む。違法なバーみたいなものだ。罠に関してはそれでいいだろう。
しかし、肝心なことがほったらかしだ。
「罠にかけることが成功したとして、杭が蛇に突き刺さったとして、それが完全に蛇の回復力を妨げられるかどうかが分からない」
クシナダが僕と同じ疑問を口にした。
「たとえ少しでも首がつながっていたら、そこから回復しない? いや、極論を言ってしまえば、切り落とした首が再生したりないかしら」
そこを煮詰めないと、僕たちは一か八かの賭けを行うことになる。ただでさえ勝率の低い戦いに不安を抱えたまま挑むなど愚の骨頂だ。戦いは、勝てる算段があって初めて挑める。準備こそが最も重要で、本番はそれを出し尽くすだけだ。
「ねえ」
クシナダが僕を呼んだ。
「頼んでた件、どうなった?」
喰われた人間と喰われなかった僕の違いか。
「順調とは言い難いな。わかったのは、これまで喰われた人間の服装と違うってことだけだ」
「服?」
疑問を呈する彼女に僕は頷き返す。
「これまで喰われた人間は全員あんたらの世界の服に着替えさせられるか、裸にされていた。で、僕は着の身着のままだった」
「ああ、そういうこと。そういえば確かに昔っから着替えさせてるわね。私たちにとってはただの習慣程度のものだったから、気にもしなかったけど」
「裸はまだしも、ここの世界の服を着たままの人間を丸呑みにするのに、なぜ僕をそうしなかったのか。今のところ、引っかかるのは・・・」
自分で話していて、おっ、と、そこで気づいた。
「なあ、確認するけど、あんたらも元の世界の服のまま?」
振り向き、僕は同じ世界から来たであろう、斑鳩、桐谷、山里に尋ねた。虚を突かれたように目を真ん丸にして、三人はぎこちなくもそれを肯定した。クシナダと顔を見合わせる。
「馬鹿なことを言うな!」
そう一人が叫んだのをきっかけに、同じような野次がそこかしこから飛び交った。徹夜で調査して疲れた頭にガンガン響いて、不快感で吐きそうだ。
調査の結果、クシナダは戦うという選択肢を選んだ。もちろんそれは最終手段で、逃げるための努力は惜しむことなく行う。ただ、彼女の中に生贄を捧げる、という考えは全く無いようだった。
「神は倒せない、そのことは良くわかっているだろう」
「可能性が出てきたわ。まずは私の話を聞いて。昨日、彼らと調べたことをこれから話します」
それからクシナダはゆっくりと村人たちを見回しながら、神を倒す方法を順序立てて離していった。話が進むにつれて村人たちはクシナダの話を聞き入ってはいたが、疑いの目はいまだ消えていなかった。
「話は分かった」
口を開いたのは幾分年経た老年に差し掛かったあたりの、白髪の方が多い男だった。他の村人が騒がないあたり、村人の中でも相談役のような、発言力のある人物なのだろう。
「しかしクシナダ。その話は確実ではないのだろう? その話は、ここにいる全員の命を賭けてまで試さなければならないことか?」
「おっしゃる通りです。何ら確証はありません。昨日こちらの方たちと話して辿り着いた推測です」
クシナダのその発言を聞いて、男はわざとらしい位鼻から空気を出して、呆れたように彼女を見た。
「だろう? そもそも、そこにいる奴らを信用していいのか? 我々は彼らを騙した。なら彼らが我々を恨んでいる可能性は十二分にある。我々を騙し、神に喰わせて憂さを晴らそうなどと考えているのではないか?」
「そんなこと!」
心外ですと前に出たのは桐谷だった。
「私たちにそんな気はありません! 私たちはこの世界のことを何も知りません。だから皆さんが死んでしまうとここでは生きられないんです」
「そもそも、俺らを先に喰わせる気だろうが」
馬鹿にしたように言ったのは斑鳩だ。落ち着けば思春期特有の反抗精神が表に出るのか、物おじすることなく食って掛かった。
「大体さ、戦うなり逃げるなりする気がねえってことは、あんたら自分たちの中から四人選んで生贄にするってことなんだぜ? 出来んの?」
そう追及され、男は顔を背けた。見れば周囲の村人たちも、微妙に逸らせるか、他の人の様子をちらちらと伺っている。その様子を見て斑鳩はふんと鼻で笑う。後を受けるようにして、クシナダが再び口を開いた。
「そういうことです。そして、私はそれをしたくない。もう誰にも死んでほしくないんです」
誰もが押し黙った。彼女の言葉の意味をよくよく考えているのか、それとも逃げ場がないと絶望に打ちひしがれているのか。ではここで、やけくそになってもらうために僕がもう一押しさせてもらおう。これはクシナダにも、誰にも話していないただの僕の推測だ。けれど、可能性は高いと思う。恨まれそうだが、それで一致団結してくれるなら安いものだ。戦うにはやはり村人全員の協力が必要不可欠だからだ。
なぜそんな協力をしているのかは、我が事ながら複雑だ。蛇に一泡吹かせてやろうと思ってるというのも少しあるし、いっそ全員喰われてしまえ、といった破滅願望はまだ根強いけれど。
とりあえずは、だ。ちらと横目でクシナダを見る。視線に気づいたわけではないだろうから、偶然だろうが、彼女と目があった。
とりあえず、彼女に頼まれたから、ということにしておこう。約束は果たしておこう。立つ鳥は後を濁さないのだ。
「僕としては、あんたらがどうなろうと知ったことじゃないんだけど」
すすっと進みでる。何事かと村人たちだけでなくクシナダたちも僕に注目した。これ以上話すことは昨日の時点ではなかったからだ。
「あんたらが生き延びるには戦うしかない、と僕は考えている」
ずらっと並んだ不景気な顔が戸惑い揺れる。意に介さず続ける。
「あの蛇にはおかしい点がある。あのでかい体で、どうして年に一度、しかもたった八人の人間で済ませるのか、という点だ」
みんなが呆気にとられている。それはそうだろう。長年、ある意味では習慣となり常識となっていることをいきなりおかしいと言われても呆けるだけだ。
「良く考えろよ。僕らは生きるために毎日飯を食うだろう。あの蛇だってそうだ。楽しむため以上に、生きるために喰うんだ」
「それがなんだって言うんだ。だから毎年生贄を捧げているんだろうが」
そういったのはダイコクだ。そういえば彼には何かわかったらすぐに伝えると言ったが、すっかり忘れていた。まあ、ここで伝えているのだから良いだろう。
「それがおかしいんだ。僕らは一日にどれだけ喰う? 一か月なら? 一年ならどれだけだ? 昨日荷車に積んだ米俵一俵は、一年もつのか? きっともたない。それは蛇だって同じだ。いくら燃費が良くたって、あの図体で、一年に一度の食事で満足できるわけがないんだ」
「それがいったいなんなんだ。今までそうだったんだ。これは疑いようのない事実だ。神は一年に一回しか生贄を求めないんだ。神ってのはそういうもの・・・」
「蓄えがあるとは考えられないだろうか?」
さえぎり、僕はダイコクに人差し指を向けた。銃で狙われた人質のようにダイコクは言葉を飲み込み押し黙った。
「あの蛇は人を家畜扱いするほどの知能がある。そして、家畜が逃げないように見えない柵を作る力もある。だから、おそらくだけど。あんたらがいくつも畑を抱えて作物を育てているように、あの蛇も、いくつかの村を畑のように保持し、時期をずらして人を喰っていると考えられる」
あたかも収穫時期が来た作物を刈り取るように、蛇はローテーションを組んで、いくつかの村々を回っていると考えられた。そう考えれば一年に一度というのも納得できる。あれを僕たちと同じ生物の範疇に入れていいものかはさておき。
「仮にそうだったとして、それがなんだって言うんだ」
「わかんねえかなぁ。予備があるんだ。この村以外にも。だからここを喰いつくしても困らないってことなんだよ」
波紋が広がる。僕はさらに投石を続ける。
「その可能性は高い。非常に高い。あんたらだって作物の出来が悪いとその畑を一度耕しなおすだろ? 同じことが蛇にだって言える。それにだ、今のクシナダの話はもちろん僕たちの推測が大分入り混じっているけど。ならこうも言えないか。蛇も同じことを推測してないかと。逆らうかもしれない、もしかしたら自分の弱点を知られたかもしれない。思うようにならないなら、いっそ消してしまえ」
桐谷が言っていた、相手の性格から行動・思考を読み取ってみた。傲慢極まった蛇ならそれくらい考える。もちろん違うかもしれない。
だから村人を奮起させるのにちょうどいい解釈をさせてもらったのは内緒だ。
「蛇は生贄を差し出せと言った。けど、同じように八人用意しろなんて一言も言ってない。全員が勝手にそう思っているだけだ」
実際どうかはわからない。ただ、わざとそういう可能性しかない、という風な言い方をしておく。全員を背水に立たせるためだ。死ぬ気でやってようやく五分五分と言ったところか。これで駄目なら、全員がすべてを諦めてしまうというなら、それはそれで仕方ない。僕のもともとの願いが果たされるだけだ。
「やるしか、無いんじゃないのか・・・?」
無言で誰もが黙りこくっている中、そういったのはダイコクだった。
「やるって、まさかダイコク、本気か?」
取り巻きの男が心配そうに問う。
「クシナダやあいつの話は全部推測だぞ。それを信じるというのか」
「クシナダが嘘をついてるってのか?」
許嫁をうそつき呼ばわりされ、ダイコクが男を睨みつける。途端、男は委縮して口を噤む。それを見やり、ダイコクは村人たちに向かい合った。そして僕を指差し
「こいつは信じねえが、俺はクシナダを信じる。男がやるには十分すぎる理由じゃねえか」
少し意外だ、と思ったが、当然か、とも思った。許嫁の前で格好をつけたいと思うのは男の性だ。
ダイコクの発言によって、少し流れが変わった。取り巻きをはじめ、若い衆は乗り気になってきたようだ。賛成と反対の天秤がぐらついているこの空気を嗅ぎ取ったのか、今度は山里が口を開いた。
「不安なのは、当然かとは思います。確かにおっしゃる通り、推測の域を出ない部分もあります。けど、皆さんは、特にお子さんを持たれている方たちに問いたい。本当にこのままでいいんですか?」
優しくも問い詰めるような口調が、中年世代の耳に届いた。
「私にも、元の世界には子どもがいます。その子のためなら、何でもしてあげたいと思う。皆さんもそうでしょう。だから、他人を犠牲にしてでも、皆さんは村のみんなを、家族を、子どもを守りたかった。違いますか?」
まさに犠牲にしようとしていた他人の言葉に、村人たちは聞きっていた。
「そんなあなた方が、子どもたちに残すものが、こんな呪いのような儀式でいいのですか? 親なら、もっと素晴らしい未来を残してやりたいと思いませんか? どうです? どうせ死ぬなら、我が子の未来のために、誇りを持って戦って死にませんか?」
子どものための自殺志願者らしい言葉だった。しかもその言葉が人の目に生気を宿らせるのだから面白い。彼らの頭にはきっと、自分たちが負けて子供たちが喰われるという最悪の事態を予想していないに違いない。僕の知ったことではないけどね。
村人たちの変わりようを見て、クシナダが言った。
「神を倒しましょう」
もう誰も、否定的な言葉を出さなかった。腹をくくったらしい。ようやくスタートラインだ。
その日から、村人総出の突貫作業が始まった。男たちは罠を作るために森へ木を伐採に、女たちは強い酒を大量に製造し始めた。物語のように酒を飲むのかどうかはわからないが、神に捧げるお神酒だと言えば話は矛盾なく通るだろう。
僕らはそれらの作業のほかにやるべき作業が残っていた。
「この村の製鉄所がどんなものか知りたい」
言い出したのは山里だ。
「村人のご先祖様たちは剣や槍で戦ったっていうし、狩猟用の弓矢の矢じりは鉄でできてた。なら、鉄鉱石を加工する技術と施設があるはずだ。やっぱり、木材より鉄の方が固いし丈夫で、何より重く、蛇を縫い留めるのに適している。もう一つは、秘密兵器を用意するためだ。案内してくれたクシナダが「どう?」と尋ねた。
「うん、これなら何とかなるかな」
製鉄所、というより、昔の鍛冶屋と言った方がしっくりくる場所を見て、山里が目を輝かせた。どうやら元工場長の血が騒ぎだしたらしい。返答に満足そうに頷いたクシナダは山里と斑鳩を指差し指示を出した。
「なら、決まりね。あなたたち二人は肝となる杭の作成をお願いします。あるものは好きに使ってくれていいし、足りないものがあれば私や村のみんなに言って」
二人が頷く。ついでクシナダは振り返って僕と桐谷を見やり、
「じゃあ、私たちは彼らの指示に従っての材料集めと一緒に、実地検分を兼ねて作戦を立てます」
「はい」と桐谷が応えた。僕も頷く。クシナダを先頭にして、僕たちは山に入った。そこかしこから威勢のいい声が聞こえてくる。森からは鋸を轢く音、木の倒れる音、釘を打つ音。丸太が次々と村の中に運ばれてくる。
まるで祭りの準備だ、と感じた。神楽の舞い手は僕たちと神だ。
あれから五日。約束の期日の前日ギリギリで、すべての準備は整った。蛇を倒すための罠と、万が一の時に逃げ出すための用意だ。蛇が村に入ってこれるということは、この村を囲っている不可思議に力も解除されているのでは、と考えたのだ。優先的に逃がすのは女、子どもだ。男たちはみな残って戦う気らしい。山里の演説がいまだ効いているのか、子持ちの男親が特に鼻息を荒くしていた。
明日に備えて、作業が終わった者から眠りについていった。僕も最後のチェックを終えて、すっかり居座り馴染んでしまった大広間に戻ってきた。
「お帰りなさい」
すでに戻ってきていた桐谷が迎えてくれた。山里と斑鳩はまだ戻ってきていないな、と思っていたら、一分もたたないうちに後に続いて二人が戻ってきた。二人の手にはかけ筒と皿に乗ったおにぎりが抱えられている。桐谷が同じように「お帰りなさい」と声をかけた。彼女はちょっとした出入りにもお帰りなさいと声をかけてくれる。最初はぎこちなく、三日目くらいからは微笑みながら。たかだかその程度の事が、かけがえのない幸福のように。
僕にとっても、それは実に久しぶりに聞く言葉だ。一人暮らしを始めてだいぶ経つから、誰かに見送られたり迎えられたりするのがこんなにホッとするものだとは思わなかった。山里や、斑鳩でさえも彼女に「ただいま」と返事をする。
簡単な夕食を終えて、そろそろ寝るかと支度をしていると、不意に手元が陰った。顔を上げると、山里が僕を見下ろしていた。立膝を突きながら、ゆっくりとその場に腰を下ろした。
「タケル君。君に聞きたいことがあるんだけど、良いかな?」
にこやかに話しかけてくるが、真剣そのものと言った目で僕を見据えていた。はて、いったい何用だろうか。山里は、僕の返答を聞かずに話を進めた。
「君は波照間博士、の、知り合いか?」
その問いは、僕の意識を振り向かせるのに十分な強制力を持っていた。山里にはその態度で十分伝わったらしく「そうなんだね?」と確信を持たせた。
「姉だよ。両親が離婚したんで、苗字は違うけど」
僕は父に、姉は母に引き取られた。離婚をするくらいの喧嘩をしたくせに、父が死に、すぐ後を追うようにして母も死んだ。残った僕を、姉さんが引き取った。一緒に暮らしていたのはほんの数年だ。
「すまない。見るつもりはなかったんだが」
山里が取り出したのは僕の、姉さんのノートだ。
「稀代にして、非業の死を遂げた天才科学者、波照間天音。ここには、彼女の知識の欠片があった。見るつもりはなかったなんて言い訳だ。最初にページが捲れたのは本当に偶然だ。けど、目に入った瞬間に憑りつかれたよ。技術者、科学者の誰もがこれを読むと「やられた!」と頭を抱えて悔しがるに違いない。
未完成だけど、これは、決して理想ではなく、現行の技術でも対応可能な、人類の夢『永久機関』の設計図だ」
幾分興奮したように山里は言った。
「あんた、会ったことがあるのか」
「いや、でも彼女の論文はいくつも読んだ。常人は気にもしなかった着眼点から生み出されるユニークな発想の切り口、斬新なアイディア、理論だけじゃなく、何度も繰り返し行われた検証実験とそれに裏打ちされた結果。とても在学中の学生のものとは思えなかったよ。本当の天才とは彼女のことを言うのだろう。生きていれば、まず間違いなく歴史に名を遺したはずだ」
「俺も、知ってる。うちの親父が会社に欲しがってた」
隣で同じように寝支度をしていた斑鳩が言った。
「会社、って、斑鳩君の家は何か事業を?」
桐谷の問いに、斑鳩が頷く。すると、何かに気付いたのか山里が手を打った。
「もしかしてイカルガ科学かい? 一流企業じゃないか」
イカルガ科学なら僕も聞いたことがある。合成樹脂や繊維などを扱った、たとえばナイロンなどの服飾製品や水槽、液晶ディスプレイなどのパネル製品などを提供している。
昨今の不況のあおりを受け、国は借金を返すために、これまで管理していた電力供給の権利を手放した。それによって企業はこれまで国によって管理、悪く言えば手出しできなかった電力供給の事業に手を出し、発展を望めるようになった。イカルガ科学も着手した企業の一つで、これまで築いてきたパネル技術をソーラーパネルに応用して徐々に売り上げを伸ばしている。
「あの頑固おやじが人を褒めるのなんか滅多にない。だから印象に残ってたよ。ハン、実の息子が死んだってあそこまで残念がらねえだろうさ」
斑鳩が片頬を吊り上げて皮肉交じりに言った。桐谷が「斑鳩君」と咎めてから、話の流れを変えるように手を打って言う。
「もしかして山里さんたちが話してる人って、私の知ってる波照間先輩、でしょうか」
「先輩?」
僕の知らない、姉さんの交友関係だった。もちろん知らないことがあって当然だと思うが、どうしてここで姉さんの関係者や姉さんの研究を知っている人間に会うのだ?
「はい、といってもたった一度だけですが、私の中学のОBで先輩がたまたま来校していた時に偶然お会いしたんです」
一度しか会ったことがないといったのに、その顔は懐かしい良い思い出を探るようなそれだった。
「廊下ですれ違いざまにいきなり腕を掴まれたんです。『大丈夫なの?』って。先生もクラスの誰も気づかなかったのに、彼女だけが私の怪我に気付いたんです。はじめは家のことを話す気はなかったんですが、いつの間にか身の上を話していました」
姉さんはいろいろと相談に乗っていたようだ。学校の先生だけでなく、教育委員会や児童福祉士にも一緒に相談に行ったらしい。
「残念ながらそれは父の妨害のせいで上手くいきませんでしたし、先輩もその数日後に不慮の事故で亡くなられたと聞きました…」
「不慮の事故、か」
僕は掴んでいた毛布を手放し、山里たちに向き直る。
「姉は、波照間天音はもう死んだ。子どものころに車と軽い接触事故を起こして以来車が苦手で絶対乗ろうとせず、免許だって持ってない。酒も味や匂いが苦手とか言って、弱いから絶対飲まなかった姉が、飲酒運転で壁に突っ込んで」
僕の言葉を受けて三人の表情が変わった。
「タケル、さん、それって」
喘ぐように桐谷が言った。
「ロクな捜査もされなかったよ。すぐに遺体が戻ってきたことと、遺体の損傷が少なかったのがせめてもの救いだ。警察の話では、即死で、苦しむことはなかったはず、だとさ。それも救いと言えば、そうなのかな」
「どうしてだ。彼女が死んで得する人間など」
「いたさ。山ほどな」
山里の疑問を、僕は嘲笑交じりに切り捨てた。
「あんたが見たこのノートにも理由はあるよ。皆無に等しいコストで半永久的に都市一つ分の電力を発電し続ける発明なんて、電力会社や石油産出国などエネルギーを提供している連中からすれば商売敵以外の何者でもない。これまで莫大な利益を上げていたものが一気に価値を失い、二束三文で買い叩かれるようになるんだからな」
自分の利益のためなら、他人が死んでも構わない、そういう人間があまりにも多すぎた。全人類が豊かになるためのチケットよりも、手元にある株券を彼らは選んだのだ。
そんな世界に、僕は、何をどう期待したらいいのだ?
「あんたが死のうとしてる理由って、そこから来てんのか」
斑鳩が言った。彼も自分の境遇に絶望している人間だ。だから僕の絶望の根源を嗅ぎ取った。
「とりあえず、実行犯と思われる人間と、依頼した人間など関係者数人には同じ目に遭ってもらった。いやはや、復讐なんてのはつまらないものだね。復讐に駆られて燃えているときは本当に何でもできたけど。次から次に計画案は出てくるし、SPやガードマンの二、三人は簡単にあしらえた。けど、終わってしまうと後には何も残らない。残るのは月曜にも水曜にも金曜にも出せないゴミだけだ」
熱が通わなければモノは腐る。人が生きていることを立証するには、体温以外の、何か熱が必要だ。
「姉さんは世界を変えようとしていた。そして、僕が見たかった、生きたかったのはその世界だ」
それが叶わない以上、僕がそこにいる理由はない。僕の体から熱はすっかり失われている。ゾンビと一緒だ。
「自分で変えようとは思わなかったのか?」
僕たち四人の誰でもない声が広間に生まれた。
「あんた・・・」
僕ら全員の視線が集中する先にいたのは、パーカーのフードを目深にかぶった神がいた。相変わらず顔がよく見えない。口元だけが不敵に笑みの形を作っている。
「久しぶりだね、君も、そして後ろの桐谷、山里、斑鳩も。元気そうで何よりだ」
「てめえ、何をぬけぬけとっ」
斑鳩が神にとびかかった。彼の歩幅でも三歩ほどだ。中学生の俊敏さがあれば一秒とかからない。斑鳩の手は神の襟元に届いて、そのまま何も掴むことなくすり抜けた。彼はその勢いのまま神の体をつき抜けもんどりうって倒れた。
「ふふ、受験ノイローゼで今にも死にそうだったのに。この一週間ほどでたくましくなったものだね」
「うるせえ! てめえのせいで俺たちがどんな目に遭ったと思ってやがる」
「だが希望は叶えたはずだぞ斑鳩スクナ。君がこの苦しみから解放されたいと言ったから、解放される場所に連れてきた、ただそれだけだ」
「着いた先で喰われそうになるなんて聞いてない!」
「聞かれていないことは話しようがない。君たちの場合は、質問する、というところまで頭が回らないほど追いつめられているようだったがね」
詐欺師の常套句みたいなことを平然と神は言ってのけた。
「それに、君たちはまだ生きているじゃないか」
「結果論だろ! 一歩間違えたら俺たちだって喰われてた!」
「大きな違いだ。生きているから君たちは私に再び会うことができた。生きているから選択肢が増える。私も、生きている君たちだからこそ、同じことを告げることができる。君たちの願いを叶えよう、と」
斑鳩の目が大きく開いた。
「それって、もしかして」
震える声で桐谷が言う。
「ああ。君たちが望むなら、もとの世界に帰そう」
「じゃあ帰せよ、今すぐ」
斑鳩が歯をむき出しにして唸る。「今すぐは無理だ」と神は首を振った。
「なぜなら条件があるからだ。条件はたった一つ。あの蛇神を倒すこと」
「もともとこの世界が人を欲したのは、この世界の住人がこれ以上減り過ぎないように、他の世界の不要な命を欲したからだ。君たちを今すぐ帰してしまえば、蛇神に喰われて世界からまた人が多く減る。それはこの世界との契約に反する」
「ならあんたがやれよ。あんたが神だって言うなら、あの蛇を殺すことだって可能だろうが」
「それは無理だ。管理者は自分の手で間引くことはしない。私にとっては、あの大蛇も世界の一部だからだ。各世界には一つ一つルールがある。それを破るわけにはいかない。この世界の問題ごとは、この世界に現時点で生きている者だけで何とかしなくてはいけない。もともとここに存在しようが、無理やり連れてこられていようが関係なくだ」
「理不尽な・・・」
山里が呻く。
「そう、理不尽だ。君たちにしてみればね」
「で? 理不尽でない世界があるとでも?」
神がせせら嗤う。
「結果を出せば報酬が約束されているだけまだましだとは思わないか? 向こうの世界では結果を出そうが努力をしようが、認められないことのほうが多い。山里、斑鳩、君たちはそのことを理解していると思うのだが? 生まれを選べない理不尽を感じているのは桐谷じゃないか。そして、もっとも世界に理不尽を感じているのは、君だ。不要な自分が生き残り、必要な姉が死んだと思っている」
両手を広げ、嘆きを現し、舞台の一幕のように大仰に。
「理不尽だ。理不尽だとも。誰にでも平等に、世界は理不尽を強いる。それをはねのけるのも、受け入れるのも、逃げるのも、君たちの自由だ。自己責任だ。だが、文句を言いたいのなら、君たちは唯一その権利がある、はねのける側に回らなければならない。人事を尽くさないものに天命はない。分不相応なお願いだけをする者に関わりあっているほど神様稼業は楽ではないのだよ」
お茶目な仕草と口調がいっそ不気味で恐ろしい。だが、聞き逃さない。神は今、面白いことを言った。
「じゃあ、なんでだ?」
僕は尋ねた。
「どうして、僕たちにそんなチャンスを? どう見たって僕たちは、あんたが言うはねのける側の人間じゃない。流れに吞まれた側だ。お忙しい神様が、わざわざ関わるほどのもんじゃないぞ? エサ用に放り込んで『はい、おしまい』で充分じゃないのか?」
すると神はにぃ、と笑みを深くして
「君がそう思うならそれが君にとっての正解だ」
「いやに引っかかる言い方だな。何かほかにあるのか?」
神は応えず、ただ三日月型の口元を歪めただけだった。なるほど、人事を尽くせ、自分で考えろと。確かにヒントはもらった。
「伝えることは伝えた。ではまた明日。君たちともう一度会えることを期待しているよ?」
神は煙のように消えた。さっきまでのやり取りが幻だったかのように、大広間には静けさが戻った。何ともなしに、僕たちは互いに顔を見合わせた。みんなが神の意図を測りかねているようだ。僕は、神が言い残したことが気にかかっていた。深読みすれば、神は何らかの、生贄にするという以外の意味があって僕たちをこの世界に放りこんだことになる。では何か。
視線を下げる。板張りの床には、黒いノートが開かれたままだ。そこには波照間天音の知識と思いの欠片がある。姉さんは、何を思い、何を考えて、ここにアイディアを書き記していったのか。
周りを見渡す。そこにいるのは、職を奪われた技師と、ノイローゼになった受験生と、父を殺した逃亡者がいた。直接的、間接的に姉さんと関係がある者たちだ。
考えろ。これは偶然か否か。
桐谷がいたから蛇を倒すという流れが生まれた。斑鳩がいたから倒すための理論が生まれた。山里がいたから斑鳩の理論を実現化できた。僕がいたから、その三名は蛇に喰われなかった。
結末に辿り着くまでの過程には、幾重もの理屈と思惑が絡み合う。僕は僕の理屈と推測をもって、辿り着く未来予想図と何のための結果なのかを導き出す。
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