「ファンタジーとは、神話や伝説を下敷きに、個人の想像で自由に創り出される物語である」
日本ファンタジーのパイオニアがこんな事を言っていた気がする。だとすればこの作品は正にその定義に当てはまるだろう。
異世界転移というありがちな設定を見事に「物語」へと繋ぎ、壮大な世界観を描く手腕は尊敬に値する。
死にたがりの青年はトリックスターそのもので、自分さえ良ければいいとか言いながら最終的に大団円をもたらすという痛快な構成となっている。これがハマらずにいられるか、いやいられない!
幼い頃に読んだ物語が違う形で蘇り、あの頃のワクワクした気持ちを取り戻せるかもしれない。
とりあえず面白いから読んでほしいな。
ひねくれた主人公が好きになれる人におすすめ。