「音」を含む小説

緑の迷路の中で目覚めた。何者かに眠らされ、そこに置き去りにされていたのだ。 私が聴いた音は狩りのスタートの合図だった。 「カクヨムWeb小説短編賞2023　短編賞創作フェス①ス…

「この時間が本当に嫌だ」 中体連陸上競技会で百メートル走に出場する雨音《あまね》ゆりは、選手控室で緊張に苛まされていた。 競技が始まるまでの待ち時間。早く始まってほしい気持ちと…

就活が上手くいかない私は、ある日、一体のお地蔵さんと出会う。 そのお地蔵さんはどうやら私の言葉が分かるようで――。 お地蔵さんは、いつもあなたのそばにいる。 心温まる物語。

10年以上聴き込んだ曲。その中に入っていたちいさなノイズ。 ちいさなその音に気付いた男が、人生のテープをはさみで切って、別のテープに付け直す話です。　 奈良。 円城塔賞に応…

小さなズレからすれ違いを生んでしまった春海《はるか》と夏純《かすみ》。 「別れ」というひとつの結論を出すことにしたふたりは、恋人同士としての最後の時間を過ごしていた。

この主人公は、とても魅力的だが極めて反社会的な高校生で、魔法のようにどこか知らない場所にたどり着く。 誰がどうやって？ 手がかりはない。 その場所は真っ暗で、いたるところで水の音…

プロの小説家をめざす「私」 書きたい事も書けない事に気が重くなる毎日 そんな時、遠くから聞こえた音が気になり外に出てみる

公園で平和な日常を過ごしていた人々が、突如として集団吐血をする。この原因不明の事件に対し、神通師・飛鳥孔音に依頼が入る……。 【妖神（マガカミ）】 　人を唆して悪行を勧め、災い…

葉月風音は不幸体質だ。彼女が出かければ人が死ぬ。 新米警察官、来栖千早は被害者を出さないために風音と暮らし始めるが果たして彼女の運命はーー。

いっぽいっぽ、それがタイヤと車の風切り音なら、すぐに会うことができると思う

静かな冬の夜を思って読んでいただきたいお話。 最近筆者が好きだなと感じた一瞬の、ただの切り抜きです。

　私はこの小さな病室や、陰鬱にだまり込む時計の音や、何よりもしっかりと絡めとる病の存在に慣れてしまった。 　目を覚ますたびに、常に同じ天井と、私の抜け殻のような体が私を待っている…

臭い霊柩車がドアの前で止まり、天井からビー玉がぶつかる音が聞こえ、廊下を誰かが行ったり来たりしており、隣の部屋で何かが切られているようだった。寝室のドアの鍵がわずかに震え、バスル…

足を蹴られて転ぶ。背中に飛びかかって押し倒す。のしかかって首を絞める……。公安組織のエージェントである椎島毅乃は、テロ組織のエージェントである蒲辺戈音と超巨大ウォータースライダー…

小学校に通い始めてすぐ、『ぼく』は足に障がいを負った。 それでも、運動が好きであることは、変わらなかった。 小学生最後の運動会。 『ぼく』は、誓いを立てる。

……ビッビビッ————ビーッ……。何をしていたんだっけ。暗い部屋で目を覚ました。その部屋の中で自分が何者かを理解していくと……。

脱サラして白ねぎ農家に転じて丸６年。 年も明けて７年目に突入する。 そして、今日も作業小屋では空気圧縮機とラジオの音が響き渡る。 《農業系エッセイ　２５００字》

私、藤沢天音はどこにでもいる地味な女子高生。 だけど、一つだけ秘密がある。 うちのお父さん、実は人気声優の藤沢和孝なんです。 友達の千代も大ファンで、声を聴くだけで妊娠するとか言…