同棲彼女はいわくつき
彩歌
プロローグ
「ーーはぁ、またあなたですか」
そう溜息をつく警察官に私ははぁと返事をした。
私は
「あ、この人、あのお姉さんに殺されたらしいです」
「あぁ、ありがとう……でいいのかな?あなたが出歩くと事件が起こるのだけれど」
「まぁ、私が出歩くと人が死ぬのは事実ですけど、私が殺したわけではないですからね」
私は珍しい体質だ。
まずひとつ。私は不幸体質だ。私が不幸なのはもちろんのこと、私がどこかに出かければ必ず誰かが死ぬ。
もうひとつ。幽霊が視える。だから、先ほどの殺人事件の犯人がわかった。なんせ、殺された人が私に教えてくれたのだから。
それ故、私は“死神”と呼ばれている。
「おい、
「え?え!?えーー!!?先輩、あたし死んじゃいますよ!?絶対、死んじゃいますよ!!??」
「今まで生きてたんだから大丈夫だって☆あとは任せた!」
彼女を残し、先輩と呼ばれた警察官は去っていく。
「よろしくお願いします……?」
ーーカザネニチカヅクヤツハ、コロスコロスコロスコロス……!
「もう、お姉ちゃんってば、殺しちゃダメだよ?」
「……あなた、“お姉ちゃん”って誰に話しかけてるのよ……?」
「あぁ、お姉ちゃんはね、私に取り憑いてる幽霊なんです。私を独り占めしたくて湧き出す殺意が、周りに影響しちゃって、人がいっぱい死ぬんですよ」
「幽霊なんかあたしは信じないーー!!」
「あははー。幽霊はいるんですけどねー」
あなたの後ろにも、ね?
かくして私と彼女の同棲は始まったのである。
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