「神 純文学」を含む小説

人間の願いをあっさり叶えてくれるかと思いきや、次々とその厳しい達成条件を提示してくるビジネスライクな神様。 ――それを「条件神」と呼ぶ。 ※この作品はブログ【泣きながら一気に書…

　「俺」の人生を嘆く男が、逆上を求めて初めての単独登山を試みる。ところが時空のねじれに迷い込んで、過去の断片的な思い出（原風景）にその都度翻弄されるなか、古事記の神話に登場するア…

　十七の、夏至が過ぎてからしばらく経った頃だった。 　まだ坊主頭だった私にとって、あれは一つの夢に過ぎなかった。 　夢の中でも、とりわけ悪夢に分類されるものだ。もしあれが悪夢でな…

人は誰でも、夢を見る。 人は誰でも、神になりたがる。 つぐ美はそんな人類の一つの夢だった。

　「俺」の人生を嘆く男が、逆上を求めて初めての単独登山を試みる。ところが時空のねじれに迷い込んで、過去の断片的な思い出（原風景）にその都度翻弄されるなか、古事記の神話に登場するア…

スノードームの中に佇む雪だるまみたいな存在の私たちに、束の間引き摺られる影ができる。 確かに存在しているという実感が持てる瞬間とは、そういった時ではないかと私は思う。

大学時代に父親に似た不実な男、枝野孝之と情事を重ねていた邦子。無責任に別れを切り出された邦子はハサミで男を刺してしまう。 それから5年の月日が経ち、再会したふたり。邦子は再び枝野…

主婦サユリは、ある日街で見かけたホームレスの青年に、不思議な母性本能のような感情を抱き、彼と一緒にホームレスになる。 ホームレス青年、クレハには悲しい生い立ちがあった。神々の悪戯…

［生きて動いているものは皆、貴方がたの食物である。 　緑の草と同じように、全てのものを貴方がたに与えた。 　しかし、肉は、その命である血のあるままで食べてはならない］ 創世記　…

※注　プロメテウス 　「先に知る者」を意味する名を持つ巨人。 　人類に火を与えたため、神々の王ゼウスに罰せられたとされる文化英雄。

神のもとに1話完結。終わりゆく地球に幸あれ。

「神の支配する過去の不条理世界から、我々の科学文明が築き上げる未来の理想世界へ……”不断の行為”という名の闘いの物語」 ◎各章は独立したエピソードですが全体で繋がっています。 …

万能薬の原料となる植物を求め、未開の島を訪れた製薬会社の研究員、ナイトウ。 そこで彼が出会ったのは、島で神の娘と呼ばれる美しい少女だった。

トースターに取り憑いた付喪神が、持ち主へ恩返しをするお話です。読み切りぐらいの、短めのお話になる予定です。

　横浜市民に生まれることができなかったら、果たして生まれてきたことに意味などあるのだろうか――、少年の頃に誰もが抱く悩みを真っ向から描写する意欲作。

驟雨はげしい春の夜、若き司祭アルセン・ベロワは廃教会にて子どもを拾う。類まれなる美貌を備えたその子どもはユーリイと名乗るが、彼はおぞましき異形の存在であった。 とある男が告解部屋…

神は沈黙する。 多くの人々はいまだ祈りを捧げる。

某カルト教団で二世会員として子供時代を過ごした拓郎だったが、現在は会から脱退し一般の社会に馴染みながら平凡な日々を送っているように見えた。しかし、彼の心の片隅には常にある存在があ…

第２部　神婚 「一族の総領以外、この儀式を誰も覗き見てはならぬ。」 好奇心おう盛な幼き弟は、その晩こっそりと神の部屋に忍び込み、美しき兄と神との秘密の儀式を覗き見たーーー。 …

俳優の男が公園で休憩していると、天使が現れて彼に尋ねた。 「あなたの願いを一つ、叶えてあげる。神様の情けよ」 俳優は願いを言う。 神は空から男を見て、天使は翼で顔を隠して嘆いた。