「春 桜 短編」を含む小説

春の終わりの風が吹く、二時間目を忘れたくなかった。ただそれだけ。

　杏子（あんず）は杏の精霊である。名字はまだ無い。 　季節は春。華やかな桜に隠れて、控え目な花を付ける杏を観に訪れる者はほとんど居ない。 　それでも彼女は信じていた。いつの日か杏…

KAC202210のために書きました。美鞍山の桜守を手伝う女性の日記です。なお、作中の日付は旧暦です。

儚く短い桜の季節。 老婆と女性のわずか数分の物語。

雨上がりのとある日、残る水溜りを避けては坂を上っていく。 季節に線を引けるならば、それは果たしてどこになるのだろう？ 落とす視線や、見上げた先に、そうと知らぬうちに届いていた季節…

ぼんやりとして不明確な、言い表せない何かを言葉にしたいだけのお話。 「KAC2022」第七回参加作品

ある日、ブラック企業で働く僕は、目の前のデスクに座る彼女と会社を抜け出して花見をすることになった。 高二か高三の時に書いた短編です。 久しぶりに読み返して面白かったのでカク…

私が祖父の住んでいた家に着いたのは、通夜も葬式も終えた後のことだった。もっと会っていればよかったと後悔する私のことを、片付けに来ていた伯父が迎えてくれる。 「吉野も八重ちゃんも、…

寒い冬が終わり。鳥たちの鳴き声も聞こえだして、もうすぐ桜が咲きそうなポカポカ日和のある日の事。私は駅のホームで電車を待っていた。その時にちょっと耳を澄ませてみると――。 「明日…

ある小学校の、桜の枝が剪定される話。 即興小説リメイク作品（お題：子供の春 制限時間：1時間） リメイク前初出　2020/03/23 この作品は（pixiv/note/小説家に…

「なんで、『春は』なの？」 「そのままさ」 2分弱で読めます。 いろいろな解釈が出来るように作りました、

遠い昔。とある地方で、毎年、桜が散る頃になると発生する、謎の病が蔓延していた。悪くすると死に至る災厄で、村人が大勢亡くなった。 村外れの桜の大木に宿るという、万能の守り神に厄を祓…

青森県八戸市やや郊外の私立高校南部サジタリアス学院は、桜並木の丘の頂上にあるカトリック伝統校。その校風は近代の流れから、古風から節度有りきのやや容認の流れに。 ２０１８年５月初…

心臓に重い疾患ををもつ広瀬 凜は、二つ年上の少年、斉藤 千春と出会う。 長い闘病で生きる意味を失った少女は、まっすぐな少年と関わるうちに変化が生じていく。 しかし、彼もまた大きな…

二月の下旬、春はもうじきやってくる。 そしてきっと、桜が空へ舞い上がるだろう。

今年の春に、一時間で制作したものです🌳 春の時期に書いたので、テーマは「春、桜、本」になっています。 １話完結なので、ぜひ読んでみてください👐

転校初日、初めて入ったその教室には桜の樹が立っていた。 動揺を抑えながらその樹に挨拶をすると、その樹は目の前で女の子に変わった。 少なくとも、僕にはそう感じられたのだ。 彼女の隣…

　無職で引き篭りの主人公、柳井和也はある日、気まぐれで小さな公園に花見に行った。そこで出会った女性によって和也の人生は変わっていく。