「言葉へ」を含む小説

　霧島砂羽（きりしまさわ）には、母がいない。「お母さんは、命がけで砂羽を生んだんだ」と繰り返す父の言葉を、砂羽は疑いもしなかった。砂羽の母親代わりは、七歳年上の兄、鱗太だ。中学校…

エフロレスンス病。通称、開花病は花が生える病。近年流行り始め、感染経路等は未だ不明である。 ──花が生える？本当にそれだけ？

思うがままに筆を走らせた詩集です。ファンタジー、チート、悪役令嬢、VR等、一切関係ありません。

永久凍土の研究グループにいた僕（美能陸）は永久凍土ウィルスがもたらす人類滅亡の論文を完成させた。誰にも見向きもしてもらえなかったのだが、そんな中、未来予知が出来るという涼香だけは…

「レトリックサークル」 全２話の短編小説。とある修辞同好会と失われた比喩の少し不思議な話。mAstival 2024の展示に向けた小説作品となります。詳細は後日発表。初めての展示…

がん患者の「僕」は、生きる希望を失いただ垂れ流しに日々を過ごす。 しかし、そんなある日、僕の前に同じく患者の「彼女」が現れて——。 彼女に対して抱いた、儚い僕の恋の行方。

小鳥遊花蓮は、彼氏にフラれた日、初対面の男に心無い言葉を言われた。だから、その男を偶然見かけた時、衝動にかられ文句を言ったものの、今度は丁寧に謝られ拍子抜けしてしまう。 平気で…

✿つばさ文庫とは毛色が違う気がしなくもないけれど！　つばさ文庫大好きな娘用に書いた作品だから勇気を出して応募してみました！！（頑張ってルビ打ちもしたしね・笑） 子ども達にファンタ…

主人公ミリアは、母と幸せに暮らしていた。 しかし事件は起こる。 国のお祭りが行われている最中にミリアの母がばたりと倒れたのだった。 母が最後に言った言葉「家族を救うのよ！」 え？…

　結末までのあらすじ　※ネタバレ注意 　 　図書室に現れる、禁帯出の本。それはミステリ小説の執筆中に亡くなり、自作の謎が解かれないままになってしまった作家の無念が形となったもの。…

ここではない遠い世界、とある星のとある国でのこと。生命の時間と美を司る女神、ビュラスに寵愛され生まれてきた世にも美しい少女がおりました。 高貴な身分と人類でも最高峰と言える武術の…

優れた剣術と馬術を伝統に持つ少数民族のラガシュマ族。彼らは突然現れた「軍隊」に部族ごと滅ぼされる。その唯一の生き残りである十四歳の美しい少女ルノルノは放浪の末、アルファーン帝国の…

『不眠・悪夢専門』盲目の心理カウンセラー世前(ヨゼ)は、他者の前世の記憶に触れ、夢を介して当時の世界を体験する力を持つ。 そんなヨゼの元に女子大生の遠橋祈吏(とおはしいのり)が…

第1章『僕が住んでいた綺麗な世界』 余命ゼロ日の主人公(成瀬)は叔母の紹介である園の手伝いに来た。そこに通うのは『普通』から外れた自由な生徒達。 様々な人との関わりから自分が生き…

人は誰しも超常的な能力を持てる世界。主人公のヴォイドだけはこの能力を得ることはできなかった。無能力者ということで、ヴォイドは大変落ち込んでしまうが、なぜか周りはそんなヴォイドのこ…

妻を亡くした。享年五十二歳であった。 もう若くない俺の脳みそでは、「忘れない」なんて言葉で妻との記憶を縛り付けておくことなんてできやしない。 だから、あなたの骨を呑んだ。 そうす…

言葉が出てこないもどかしさが、ちょっと笑えたので、短編にしてみました。

　口を衝いて出た言葉の通りに事の進んでしまう体質を持つ語り手の陥った、不可解且つ不愉快な事件。知らず知らずの内にに嵌まって行く危機的状況に、語り手の取った行動とは。

『甘えでしょ？』 私はこの言葉が大っ嫌いだ。それは、恵まれた幸せな人間ばかりが口にする言葉だから。 私の不幸を知らないクセに。私の苦しみを知らないクセに。私の辛さを知らないクセに…

「なんだこの肉の塊は」――聖女として異世界召喚された可憐が最初に聞いたのは、そんな言葉だった。ぽっちゃりは事実ながらも、気の強い可憐は失礼な発言を許さず、しっかりと謝罪をさせる。…