「忘れないで」を含む小説

〈あれは冬も近付いてきた、秋の終わりの頃だ。 　四原雪哉は、小学五年生の時、僕のクラスメートだった。四年生の時に転校してきて、その時はクラスも違ってはいたけれど、その頃から僕は一…

KAC20248参加作品です。 noteでも公開中（2024年7月31日〜）

昔々、ある日のこと。 母に連れられ辿り着いた場所で、少女は星に出会った。 たった一つのまばゆく光る星。 自分がとてもちっぽけに思えてしまうほど、儚く美しかった。 星との出会いは少…

私の親はもういない。一人での生活にはもう慣れた。寂しいことなんかない、そう思っていた。あの日、七瀬さんが家に訪ねてくるまでは。 その日私は病気で寝込んでいた。そして過程は省略する…

鬱々とした世界の少年が、青銅の城に何かを思い起こされる物語。短編。

<ジオ>と呼ばれる惑星――。この星にはありとあらゆる"悪"が満ちている。 蒸気機関によって発展を極めたゴラドーン帝国では、"喰人蟲(マンイーター)"と呼ばれる魔物が人々の生活を…

真面目に学生生活を送りたいと願う、レーヴィア高等魔導学校に通う識織《しきおり》　成志郎《せいしろう》は、ある日、友人の織枷《おりかせ》　律織《りつおり》から、いつものように学生生…

「お前は今日をもってシルドラ家から追放する。今後。シルドラの名を名乗ることは許さん」 「ようやくお前の顔を見なくて済みそうですね。まったく、さっさと出ていきなさい」 「そうで…

好きな子と友達が付き合ってしまった女子高生、椎名志乃は暗澹たる日々を送っていた。ある日、志乃は謎の女から「人を支配できるカード」を渡される。支配する条件は、「カードゲームで支配し…

　草凪澄人（くさなぎすみと）は幼い時に神格が最低ランクの【１】ということで家から追放されて、物置で生活をするように強制された。 　漫然と生きる澄人だったが、幼少時に祖父から渡され…

　落ちこぼれの剣士アガサ・アルヴェストンは呪われた土地の出身であり、学園の者から疎まれていた。陰ながら暴力をふるわれる屈辱の毎日。ある日、ついに学院側から追放除籍処分をくだされて…

「気が狂っていたとしか思えない。もう目が覚めた」――――　若き国王グリフィスは自ら強行して決めた婚約をあっさりと破棄した。婚約者との出会いからの記憶を失ってしまったから。 婚約者…

敵襲から親友に守られ、僕は一人生き延びた。十四年後、正規理術士隊長となった僕の前に現れた新兵は、名も姿も亡くした親友と同じ……けれど僕を忘れて還ってきた“イスラ”。 死者が還っ…

エッセイ短編: 韓国男子に歌のことを質問されて、すっかり忘れていたあることを思い出した。 ミニョンという中学二年の女子のこと。 ミニョンは自殺未遂のあと、「日本に行きたい」と言っ…

「探し屋」を営む宗助は、ある森の深くに失せ物を取りにいく。 不気味で不思議なその森には、人々が失くした物が、いつのまにか集まっている。 その仕事の先に宗助は「ほんとうの失せ物」を…

スカッと復讐！　ざまぁ展開！　これってテンプレ？　テンプレでしょ！　って、違うか……違うな……胸糞展開注意！ という事で以下あらすじ！ 娘が死んだ…… 自殺したのだ…… イ…

　３年付き合って同棲までした彼と別れを選んだ私は、髪を切って髪を染め、転職までして彼のことを忘れようと思っていた。けれど、２年経っても一向に忘れられずに未練たらたら。 　そんな…

巧みな変装術とユニークな道具の数々で世界中の人々を魅了してきた怪盗エニー。 追う者や推す者など、あらゆる方面から熱い視線を注がれていたエニーだったが、数年前のある日を境に突然姿を…

空が青かった。 そういうものだろうと、笑われても、青かった。 とても深くて、青い色…… あの日みた空の色は、今も忘れない。 それは遠い、青い記憶…… ※無断転載禁止

「もうすぐ藍（あい）ちゃんの命日だね……」 僕、香月恵一（かつきけいいち）は都内で一人暮らしの大学一年生だ。 田舎の姉から六年前、急逝した幼馴染みの二宮藍（にのみやあい） 彼女…