星に出会った少女

おこぼれ

プロローグ 星と出会った少女

このお話は、こことは違う別の世界で、とある少女の一生を追った物語…


母に連れられ、辿り着いた場所で、ある少女は星に出会った。


瞳いっぱいに輝く星。

その星はとても儚く、美しかった。

星を前に、少女は自信を失くしてしまう。

それほどまでに、星は美しかったのだ。


「ねぇ!」


母の後ろに隠れる少女に、星は話しかける。

少女は驚き、更に母の陰に隠れる。

そんな彼女に星は優しく語りかけた。


「おれ…あ、僕はジェミーっていってね、君に会いに来たんだよ。それはもう遠い場所から。きっと、君が辿り着けないほどの場所からね…」


その言葉に、少女は疑問を抱いた。


(私が一生をかけても辿り着けない場所から?じゃあなんで、この子は今私の前に居るの?)


そう、彼女の瞳に映っていたのは一人の少年だった。

その少年に、少女は問う。


「あなたはなんで、私に会いに来たの?」


そう問われた男の子は少し顔を赤くして笑い、こう答えた。


「君が好きだから…かな。はは…初めましてなのに、変だよね。」


それを聞いた少女は煙が出そうなほど顔を真っ赤にして、母親の服をぐっと掴んだ。

すると、少女の母親は優しく微笑みこう言った。


「ふふ…そんなにこの子が素敵?」


下を向いたまま無言でこくこくと頷く少女の姿を見て、母親はクスリと笑う。

頷く様子を見ていた少年は、少し照れくさそうに鼻を擦った。

すると、少女は母の陰から恐る恐る出て、口を開いた。


「ジェ…ジェミー…私はナタって名前で、あなたと友達になりたい…」


ナタの言葉に、ジェミーはとても嬉しそうに頷き…


「ありがとう。じゃあこれからよろしくね、ナタ!」


そう言い、ナタの手をぎゅっと握った。

母親は二人の目線に合わせてしゃがみ、祈り始める。


「あぁ神よ…この出会いが、ナタの人生を良い方向へ導いてくれることを願います。」


その夜、幼い二人は永遠に続くほど、強い絆で結ばれた。

これからジェミーと共に歩む人生に想いを馳せるナタ。


この出会いが後に、歴史を揺るがすほどの事態になるとも知らずに…

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星に出会った少女 おこぼれ @okoborefighters

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