「香り」を含む小説

あの素麺独特の風味、つるっとした舌ざわり、のど越し、薬味の香り。 また今日も素麺が食べたくなってきた…

この学園には百合の温室がある。私たちは寂しくなるとそこでお互いを探すのだ。

ちゅ、と離れていく体温が名残惜しくて、桐嶋柊花は手を伸ばす。そして七海文乃を抱きしめた。呼吸をすると文乃の香りが肺一杯に満ちていった。 この安らぎと愛しさは、今でこそ得たものだ…

　中学生の探偵見習いは、古ぼけた事務所に住み着いている探偵のもとで働いている。 見習いがやることは情報収集、現場へ赴き、分かったことを探偵に報告すること。 探偵は分かったことをも…

若夫婦のおはなし 梅が咲くほどにあったかく、春の匂いを運ぶ冬の夜。 ちょっとだけ足を伸ばしてレンタルショップに行こうかな？ コンビニでアイスも良いかもと、ワクワクを膨らます奥さ…

俺はある日ツツジの咲く公園で一人の少女と出会った。彼女は言った「あたしねぇ、死にに来たの」短編です。

男子高校生「古戸飛出男」は、朝から嫌な予感がしていた――朝から、カレー。 昨晩の残りを父の命日だからと言い張る母を振り切るようにして、学校へと向かう。 放課後、友人の「丸出　司」…

セントを放つ女。セントとは、臭いでもなく香りでもない、女の徴とでも訳すべきか。子連れのトップレス・ダンサーの前に、突然、その女のセントに導かれた男によって思いもかけない、ごく普通…

「宮本くんが、宮本唯くんのことが――」 その日、差し出された『甘い香りの箱』を、僕は受け取らなかった。 この小説は【野いちご】にも投稿しています。

砂漠を縦断するラシードが出会った女ベドウィンとの不思議な小話。 創作クラスタお茶部作品集『フェティーシスト』に寄稿したものの転載。

　県内でトップクラスの進学校――県立藁谷町第一高等学校。 　そこに通う女子高生・永野貴子は、高校三年生になった始業式、金髪混じり茶髪で三白眼の金眼、元ヤン教師・佐野優に出会う。 …

　道を歩いていて、ふと感じる街の香りに、昔の記憶が蘇ることはありませんか？ 焚き火の煙の匂いに彼女との出会いを思い出す。クラスでも目立たない、地味な彼女。なんの特徴もない僕は、彼…

「ブルーレット置くだけ」という商品はやがて「ブルーレット買うだけ」と進化するのではないか？地球規模でバルサンを焚いて地球に必要のない生き物を駆逐できたら人間は生き残っているか？そ…

家庭の事情から高校入学を前に地方の小さな街・羽佐間町へと引っ越してきた少年・板更歩（いたさら　あゆむ）。 新しい生活に期待するも、あまりの辺鄙さに心挫けた彼が小さなパン屋で出会っ…

沈丁花…母が好きな香りでした。

　愛してはいけない言葉だけれども、そこには愛があるのだから。 　まず順に読んで香りを堪能してから改めて時系列である３→１→４→２の通りお呑みいただく事によって二度楽しめる贅沢な…

思いもよらない場所に連れてゆかれる 想像だにしなかったところへ…… それもまた、小説の愉しみのひとつですよね 放りだされたその場所が、 どんな景色なのか どんな世界だ…

海と山が併存する磯の香り漂う町で、ふたりはふと再会する。