「異類婚姻譚 和風」を含む小説

麗しの美少年に育った幼馴染は、たった十二年でその生涯を終えた―― その後、私は結婚の約束をした彼氏を連れて実家へ帰省した。そこで私は、在りし日の幼馴染の姿をした、「池のヌシ」と名…

狐や幽霊、鬼などの様々な異類と人間の幸せな結婚生活のお話

　人が化生に恋をした、化生は恋を受け入れた。化生にとっては余命の百年、人にとっては永き百年。緩やかに生き、いずれ来る別れの日。身を寄せ合って静かにその日を待つ、人の子と化生の交わ…

時は大照四年。 “名無し”と呼ばれる娘は、時代から取り残されたような山里でようやく生を繋いでいた。 死んではいないだけの色のない日々は、しかし帝都からの訪問者を皮切りに目まぐるし…

「アタシは男の生贄を要求したはずだが」 「私も男神様に嫁ぐものと聞いておりましたが」 ひょんなことから夫婦（？）となることになった山の女神と村の少女ツツジ。 女はいらんと村にツ…

とある大学に通う学生南雲峯一は、帰り道とある物を見つける。 それは、倒れたタヌキで彼は家に持ち帰り、タヌキを飼う事にした。 だが、そのタヌキの正体は化け狸で……

日々酷い折檻を受けていた遊女の少女はある日、豪雨の日に花街から逃げ出した。 その先で少女が出会ったのは、一人の神だった。 ――これは、芸事をつかさどる女神に見初められた、美しい…

龍神の花嫁となるために育てられたすずは、その夜、龍神の住まう湖に浮かぶ島へと嫁いでいった。 しかしそこで出会った龍は「花嫁など求めていない」とすずには見向きもしない。それから七年…

山を統べるヌシといわれる『あやかし狼』の朧は、ある晩、山の中で人間の子どもを見つけました。 目隠しをされたちいさな女の子を護るため、狼は水神である白蛇に願い、ヒトの言葉と身体を手…

神か仏か、はたまた鬼か――？　月下に舞うは異形のもの。 歳時に寄せて語りゆく、幽玄なるものたちの物語。 「いつかの日本ぽいどこか」を舞台にした、似非和風ファンタジー掌編集。一話完…

　人と人ならざるものが紡ぐ、三つの恋愛譚。 「ついのてあし」 　風景画を好む浮世絵師：タキイチは、北の奥にあるという伽藍の噂を聞き、好きに絵を描く気ままな一人旅に出る。 　旅…

水底に抱かれ眠るうつくしい女に、少年は供物として捧げられた。 『山神の娘』と呼ばれる、異形の血を引く末裔の女――蝶。 蝶の『供物』たる少年、夜杜。 繰り返される言葉の、結ばれ…

【梗概】 紫乃は、生まれながらの奴婢（奴隷）である。 歳は十七、琉斌国に滅ぼされた隣国の神葛の出身だった。 十一の時に琉斌の王族である氷雨に買われ、下女として仕えていた。 氷雨は…

嫁ぎ遅れながらもようやく婚約できたと思ったら、蛇神様の花嫁に選ばれた。 おい待て嘘だろ？婚約を解消しないといけないじゃないか。わたしの労力返せよー！！ これはそんな二十代後半の女…

茹だるような暑い夏の日、田舎の山奥で彼に出会った。

ヒトゲツノという國にある暴れ川に囲まれた辺鄙な村、桔村には言い伝えがある。 長い間、邪悪な狐によって引き起こされていた水害。 水害による飢餓に苦しんでいた村人に、生贄と引き換え…