鶯舌記 -おうぜつき-

作者 八島清聡

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119人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

これは凄すぎると思いました。

舞台設定から人の心の機微に至るまで、あまりにも繊細で丁寧。
おぞましい物語であるというのに、甘美で蠱惑的な文章が読者を魅了し、あれよあれよという間に物語の世界に引き込まれていきます。

例えるならそう、藤の花のよう。華麗で高貴でありながら、力強いしたたかさも感じられます。

もう少しこの世界を堪能したいものですが、長らく更新されていないのが残念でなりません。

★★★ Excellent!!!

淑々として非常に柔らかい文章。ところが、紡がれる物語は凄惨の一言に尽きる。愛と哀の相克。それ以外にも、対立とは行かないまでも、対峙する二相の組合せが幾重にも重なる。
第一部だけでも圧巻のストーリー展開。
ネタバレは野暮なので口を噤むが、「だから、あの様な表現で主人公の心情を丁寧に綴ったのね」と、第一部の終盤に読者は膝を打つだろう。こりゃ凄いや。
主人公の経験するフラッシュバックが重要な謎解きの糸口なのだが、それが第二部に繋がって行く。
その第二部だが、凄惨さと言う点では第一部に比べて相対的には穏健なので、割と冷静に読み進められる。面白くないのではない。例えて言うならば、スターウォーズ。第二幕から始まっての第一幕。誰もが結論を知りつつ、十分に楽しめる。あんな感じである。
レビューで物語の構成を解きほぐしても、読者の興醒めにはならない。それだけコンテンツが圧巻なのです。
唯一残念な事は、二年近くも筆が進んでない事。こんな生殺しは嫌じゃあ!
こんな気持ちになったのは、ふたぎおっと氏の「戦犯の孫」以来です。

★★★ Excellent!!!

男女の恋愛中心ですが両性愛を許容するようなおおらかな気風があって読んでいて非常に居心地がよいです。
なにより出てくる男性キャラのなんともいえない色気。色っぽいのに
けして女々しくなく実に男らしくてトキメキを隠せません。
特に神和人がいいです。忠実な家臣ながら誇り高くて…
伊邪夜にも男性的なところがあるので(というか本質は男性な気が
します彼女)同性愛とも異性愛ともつかない倒錯ロマンスを味わえます。
あやしく、うつくしく、ふしぎな恋愛譚。おすすめです。

★★★ Excellent!!!

耽美で妖艶、なのにどこまでも上品な文体。
性の倒錯、行間からにじみでるような頽廃は作中に出てくる女でも男でもない摩訶不思議な生き物の生態をあらわしているかのよう。危険と知っていても侍っていたいと思ってしまいます。
もう好きな人にはたまらなくたまらないでしょう。
夜に布団にもぐってこっそり楽しみたい小説です。

★★★ Excellent!!!

神様に愛されるとモー大変!チョー大変!いろんな意味で死ぬよ。
逝くっていうかイクっていうかマジ容赦ないよ慈悲はないよというお話。
この神様が怖いのに超絶美人で高貴なのにかわいいとこもあって激しく萌えます~
伊邪夜様にハアハアしすぎてそろそろ粛清されそうです…。ほんとかわいい。
なのにご本人は淡白なワーホリのおっさんが好きっていう。夢があるんだかないんだか…(汗
神様だし女王様だし若いイケメン選び放題なのに…と思わないでもないですがUFOのように斜め上をいく展開で面白いです。
男性も女性も楽しめる作品だと思います♪

★★★ Excellent!!!

谷崎純一郎や川端康成の上品なホラーにも似た奇妙に美しく残酷な物語。
古代日本のような世界を舞台にしており、歴史、古典、伝奇が好きな人にもおすすめです。

主人公は紫乃という奴婢の少女。生まれながらに人間扱いされない身分です。
彼女は主人である氷雨を熱烈に愛しています。生活の全てが氷雨を中心にして回っています。
しかし氷雨は絶世の美貌を持つ皇女の艶夜に惹かれてしまうのです。

紫乃の目を通して世界が広がって…いくわけではなくむしろ彼女の狭い日常と
内面に深く潜っていくような構成です。
淡々として抑えた口調、ひたすら同情を誘う境遇。読めば読むほど奇妙に美しい世界観。
引き寄せられるまま、澄んだ水にゆっくり沈んでいくような深い安堵感に包まれます。
(それすらも、作者のしかけた罠だったのかと思わないでもありませんが)

中盤からは駆け上がるように話が進みます。
そして最後に紫乃が直面するもの。嵐のような逆転劇。
その正体を知った時、ぞぞぞぞっと戦慄が走ります。
絶叫系ではありません。
ひたすら沈黙して耐えるしかない静かな静かな恐怖です。

ええ、この恐怖を誰にも話してはいけません。

なぜなら口は災いのもとなのですから………

★★★ Excellent!!!

一言でいうと「流した涙を返せ」です。平たくいうと王族の氷雨と従者である奴婢の紫乃との悲恋ものなのですが、身分差や王宮内イジメなどいろいろあって二人は追いつめられていきます。人もバンバン死ぬ。二人の間にできた子供も死ぬ。めちゃくちゃ泣けます。紫乃が氷雨とともに死ぬことを決意する17話はもうボロ泣きでした。マジで。それで泣いて泣いて泣いた揚句にとんでもない逆転展開が来てふっとばされます。盛大に。別に世界観が壊れるわけでも夢オチでもないです。でもエー!てかんじです。ぜひ泣いて泣いてふっとばされてください。

★★★ Excellent!!!

ですます調の敬体で綴られる本作品。
それ自体結構レアで、惹かれるものがあります。
実際この物語の世界観を支える重要なファクターになっていると思います。
美しいけど、どこか影がある・・・・・・
これは紫乃だけじゃなく他の登場人物や物語の世界そのものを引き込んでいくような怖ろしい影ですね。
読んでる自分も引き込まれてしまいそうになる影。
怖いけど、魅惑的な作品です。

★★ Very Good!!

真っ赤な文字で躍る、『歌え殺せ』の狂笑を思わせる文字羅列――――これはいけないという背徳的な期待の先にある、優美にして綺羅綺羅しい花と水の都に瑠璃を冠する宮。そこにおわす水の化身たる王族たち……現れるものの眩さに、くらんでしまいそうです。
それらがやがて姿を変えていくさまは、まさしく水というものの性質を表わすよう。
紫乃はこれからどうなるのでしょう。
そして彼女は、いったいどんな正体を隠しているのでしょうか。
楽しみです。

★★★ Excellent!!!

まずタイトルが素敵ですよね。
おうぜつ、なんだろうと思いました。
調べてみたら うぐいすの声。また、鶯のように美しい声。 だそうです。
また登場人物の名前が素敵なんです。
しの、ひさめ、すいらん、えんや、いざや、やつひろ、いほり。
新幹線や自衛艦の名前の候補になりそうな美しい名前ばかり。
鶯のような声を持つ皇女様は歌を歌います。
その歌も詩的でもの悲しくて素敵です。
虹色の水を持つ水龍の子孫。純和風の華麗なる王朝絵巻。国一番の美貌。かなわぬ恋。ちりばめられた美のテイストにうっとりしていまいます。

でも…この話とっても怖いんです。
美しい日本語が美しい響きで怖さを引き立てています。
何がどう怖いのか、それは読んで確かめてください。

★★★ Excellent!!!

古代日本らしき世界を舞台にした耽美ホラーです。
虹色の水でできた王族や厳しい身分制度、奴隷・・・時代小説とはまた違う独特な世界観を持っていて引き込まれてしまいます。
本文そのものが壮大な叙事詩なのかと思う軽やかで美しい文体。
残酷ながらも哀愁ただよう世界。
愛と死とエロスと死、官能。
紫乃と氷雨と艶夜の3人の交錯する結末が気になってしかたありません。