「きみ」を含む小説

花屋の息子・森村大樹は、店の手伝いをしながら平凡で退屈な毎日を送っていた。 ある雨の日。大樹は店の軒下で雨宿りをする一人の少年と出会う。花が好きで物静かな性格の彼は、どこか近寄り…

　 　神代翔（かみしろかける）には好きな子がいる。 　名は瀧宮澪（たきみやれい）。 　才色兼備、十全十美。高嶺の花。 　手の届かない瀧宮をそれでも好きになってしまった翔は、嫌が…

よれよれの星、よれよれの国、よれよれの社会に、よれよれのきみがいた。わたしたちはよれよれになるくらいに、毎日、毎日、通勤、通学、通院、通園、北へ、南へ、走ったり、歩いたり、朝から…

〈ぼくの住む街に、今冬最初の雪が降りました。あなたの街ではどうですか？　……なんてね。何年か前に約束したよね。同窓会の時、覚えてる？　きみが暖かいところにいるから、ぼくの住む街に…

中学3年生の澤西りんは勉強や女子とのやりとり、将来のことなど様々なものを仕方がないで片付けていた。 同じく中3の遥未来は10歳の時にあった事故で今でも少なくとも年に一回は手術を受…

笑わない先輩と、頼りない後輩のお昼の風景。 赤いきつねと緑のたぬきの時間差に隠された、後輩の想いとは。 ※余談 「先輩、赤の補色で緑なんだそうですよ。公式サイトに書いてありま…

大みそか。夜も深まる中。幼馴染の三波と遥翔は締め切り間際の映像コンクールの出品作品の制作の打ち合わせ。イラストで食べていきたい三波の心は想像の宇宙に今日も飛んでいる。遥翔は音楽好…

表題作品は『ユリイカ』2017年4月号に発表した詩のウェブ再録です。本作品集では、詩集未収録作品を中心にウェブ再録をします。不定期で更新。収録した作品の執筆および発表年はランダム…

私には好きな人がいる。自分勝手で我儘で、でもそんなところがすっごく可愛い。喧嘩だってするときもあるけど、喧嘩するほど仲が良い、とも言うしね。 これはそんな私と、あの娘の話。

陸生と水生、二種類の人類がいる少し不思議な世界でのお話。 小学五年生の夏休み初日、久我山睦月は真珠色の尾びれを持つ少女乙音と出会う。 鬱屈とした日々を送っていた睦月は、それまで…

双子の兄妹が、かつて「教授」と呼んでいた人のことを回想しながら、緑のたぬきそばと黒いカレーうどんを食べるお話。

◆ 短いあらすじ 　婚約破棄される未来を見た悪役令嬢が、未来を変えるために王子から逃げ回るお話。 　（それなのに何故か殿下は、私に執着しているようで・・・！？） ◆ 長いあ…

凪いた海を右手に、動じない山を左手に、今日も電車が走っている。