「言い聞かせ」を含む小説

【本編完結まで掲載済】ヴァンはガラス職人の家の一人息子である。手の器用さはピカ一で、ガラス職人のお店を継ぐ事を昔から言い聞かせられてきた。どこにでもいる平民――、それが周りの評価…

家の都合が優先される結婚において、理想なんてものは、あるわけないと分かってた。そんなものに夢見たことはない。だから恋などするものではないと、自分に言い聞かせてきた。叶う恋などない…

五十路男性の戸比と三十路女性の瀬名は、時同じくして軽い肺炎を患い、地元の病院の点滴ルームで出会う。戸比は己の境遇から「死んじまいたいな」と呟く。瀬名が来て隣で処置を受けるが、戸比…

中国山地の集落に旧家の大倉家はあった。その大倉家に大正から昭和に代わる年、嘉一郎とヤエの間に姿子（しなこ）は生を受けた。 姿子が昭和という時代を生き、平成に亡くなるまで八十数年…

高橋萌香は一見すると、何処にでも居そうな地味な女子高生。だけど彼女には、誰にも言えない秘密があった。 それは、今から２年前の高校一年の春。突然異世界に召喚されて、勇者として世界…

＜探偵討議＞ 古くはモーリス・ルブランとコナン・ドイルの往復書簡に端を発するという、要するに一方が「謎」を出して、もう一方が探偵役となり、それを解くという（架空の）競技。 一…

柿崎大輔(かきざき だいすけ)は、隣人の藤原(ふじわら)さんの家に小さな子がいるらしいことを知る。彼女は家を出るたびに「いい子でお留守番してて」と言い聞かせているが、大輔はそのう…

日々の暮らしに追われ、灰がかった生活を送る。誰しも、きっと。その日も変わらず、生きる為と自分に言い聞かせて会社へと向かっていた。その途中、子供の泣き声が聞こえた気がした主人公。そ…

高校二年生の海崎律は、過去のトラウマから自分を偽って生きていた。 夢を諦め、親が望む良い子を演じる。自分がつまらない人間になっても、それでよかった。 自分が傷つくくらいなら、最初…

『今日も僕は鬼にならなければならない』 己自身にそう言い聞かせてリュックを背負い、右手に鉈を握りしめ仲間達と緩やかな坂道を下って行く。 大学の研究室で行われていた実験、 【細胞…

　とある機関の掃除屋(スイーパー)であるコードネーム・ルージュは、同僚だがお互い反りが合わずに彼女と撃ち合いにまで発展したことすらあるノワールが、敵対組織の策略により囚われた事を…

昔々、仲良しの姉妹が同じ頃に子宝を授かった。二人は子の健康と幸せを願って近くに住む祈祷師を訪ねて良い名前を名付けてもらいに行く…。

【ざっくりとしたあらすじ】 火伏ユキムラはひたすら高みを目指して努力する。全ては憎き禍神を消し去るため、弱い自分と決別するため。そんな和風ダークファンタジーです。 【じっくり…

第三次世界大戦が終結する術を持たず100年に渡り継続している世界。荒廃した世界の中で唯一争いの無い、 ”楽園” そこに行くには多額の金が要る。その金を得るために人を殺める。その矛…

血の繋がりのない兄と二人暮らしのマリア。 マリアは実は人間ではなく、人間に忌み嫌われる種族だった。 一緒に育った人間のゾイには赤ん坊の頃から懐いていて、いつしかそれは恋心へと発展…

誰もいないよね？…肝試し？…いや違う。何かが体に直接入ってくるような。そんな感覚に襲われた。どす黒い何かが。でもこれは緊張しているせい。きっとそうだと、奈津子は自分に言い聞…

愛情と成功、両方を同じくらい手にすることは難しいことです。 「あおむぎぱんや」は街の小さなパン屋が舞台の超短編です。 (パンの美味しさと人気を求めてすれ違っていくパン屋の夫婦の…

俺の名は乃木杏太郎。三流企業に勤めるしがないサラリーマン。何をやっても平々凡々、このまま一生うだつの上がらない人生を過ごすのかと思っていたある日。気まぐれで買った宝くじがなんと見…

　成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能と女の子にモテル要素を多く兼ね備えた香川拓実には切実な悩みが一つあった。女の子とうまく話せないこと。初恋の少女に告白出来ずに振られてしまった影響…

縦4,260mm、横2,130mmのわずか9.0㎡の狭い空間。 その狭い空間が俺の心を魅了して放さない。 あることをきっかけに跳ぶことをやめてしまった俺は、恩師のおかげで少しだ…