ひとりぼっちになってしまった僕がいつか彼女と同棲したいお話

@michibata

夏の終わりの重たさ

〜身寄りが誰もいなくなってしまった高校生の僕

寂しさには慣れたつもりだったけど、やっぱり人肌が恋しくなる今日この頃の夕暮れ時〜


茜色に染まった空を今日もひとり眺める。

学校から帰ってきて、疲れていたのか畳まですぐに寝てしまっていた。

そんなに長く寝た感じはしなかったが、少し肌寒い風が吹き、キーキーと鳴る自転車の音が聞こえてきて、

少しばかりまだ残っている夏の寂しさを感じつつ、あたり一帯はもうじき夜を迎える。

この家はもとは、僕の爺さんと一緒に住んでいたのだが、昨年から体が弱ってしまい、そのままあっという間に亡くなってしまった。

幼いころから、ばあちゃん、母さん、父さんの葬儀があり、これでもう4度目だ。

爺ちゃんと暮らしていたころは、時々、そろそろいなくなっちゃうのかなと不安になって眠れなくなることもあったけど、実際に

いなくなると、寂しいは寂しいが、思ったほどでもなかったというのが正直な気持ちだ。

昔から、身近な人は、いつかいなくなると思っていたからなのだろうか。

酷い言い方にはなるけど、お金や生活の面で誰かに頼らないといけない状況にないから、心配事がないのかもしれない。

会社勤めだった父の貯蓄と遺族年金があるから、今すぐ生活どうこうということにもならないし、

母さんが小学3年生くらいの時に死んじゃったのもあって、家事も自分でやることになったから、今では全然生活に困っていない。

とは言え、母さんと父さん、僕の三人で住んでいた家は、ふたりがいなくなってからは、家のローンもあって、

維持に困るからって、売り払ってしまって、こっちに来るといいと、爺ちゃんが言ってくれたから、それを実行してこの家に住んでいるのだが、

やっぱり、比較的都市部とはいいがたい、田舎というのが近いこの辺り一帯の地域と、広いこの家屋は一人暮らしをするには寂しく感じた。

ほかに身寄りもないので、やっぱりここにいるのは僕一人なんだけど、寂しい気持ちもある。

学校には行っているけど、放課後は基本、すぐにチラシ配りのアルバイトに行くから特段仲のいい友達もいないし、僕を慕ってくれている幼馴染などもいない。

やっぱり、僕はどこまでいってもひとりぼっちになってしまったみたいだ。

あぁ、誰かとまた一緒に暮らすことができたらな。

ため息と共にそんな言葉が出ていた。

やっぱり、夏の終わりの切なさは一人の僕には重すぎたようだ。

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